歳をとったからか、漫画を読むのがおっくうになってきた。
昔は、漫画が手元にあればすぐに読んだ。どれだけ読んでも疲れなかった。「途中でやめて続きは明日」ということができなかった。あればあるだけ一気に読んだ。
ところが最近漫画を読むのがめんどくさいと感じるようになった。まったく読まないわけじゃないけど、ちょっと読んで「あとはまた今度にしよう」と閉じてしまう。一冊の漫画を読むのに一週間かかる。つまらないわけじゃないんだけど。
昔は考えられなかったことだ。
本を読むことに対する意欲は今のところ衰えていない。意欲、というのはちょっとちがうかもしれない。ほとんど習慣のように読んでいるからだ。食後に歯みがきをするように、ちょっと時間があったら本を読む。そこに意欲は必要としない。
小説やノンフィクションを読む時間は昔より増えている。漫画だけが面倒になった。
"セリフ"が原因かもしれない。
読むのに時間がかかる本もあれば、すぐに読みおえてしまう本もある。
難しい本を読むのには時間がかかる。これははあたりまえ。
ところが易しい内容の本でも時間がかかることがある。「会話文の多さ」が理由だということに最近気がついた。
他の人はどうだか知らないが、どうやらぼくは会話文だけは心の中で音読しているらしい。頭の中で音声として再生しているのだ。だから時間がかかる。
ノンフィクションは会話が少ないのですっと読める。活字を目で追うだけでいい。
でも小説はセリフの多さに比例してペースが落ちる。こないだ桂米朝『上方落語 桂米朝コレクション』という本を読んだが、すべて噺家口調で脳内再生しながら読んでいたのでものすごく時間がかかった。内容的にはさほど難解なものでもないのに。
漫画もセリフが多い。だから時間がかかるのかもしれない。
岩明均『ヒストリエ』は漫画だけど説明文が多くてセリフが少ないから、あっさり読める。
そういう漫画がもっと出てきてほしい。セリフは少なくて説明文が中心。『もやしもん』みたいなやつ。
なんなら絵もなくて活字だけでいい。それもう漫画じゃない。
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