2017年12月28日木曜日

2017年に読んだ本 マイ・ベスト12

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2017年に読んだ本は、このブログに感想を書いているものだけで約百冊だった。
その中のマイ・ベスト12を発表。ベスト10にしようと思ったけど、どうしても絞り切れずに12作になってしまった。

なるべくいろんなジャンルから選ぶようにしました。
順位はつけずに、読んだ順に紹介します。

こだま 『夫のちんぽが入らない』

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私小説。
同人誌版を以前に読んでいたので「2017年に読んだ本」に含めるかどうか迷ったけど。
でも書籍版では大幅に加筆されて内容もさらに良くなっていた。プロの編集者ってすごいんだなあ。

タイトル含め今年大きな話題になった本だけど、やっぱりいいタイトルだ。タイトルでぎょっとするけど、内容を読むと「これでも穏便なほうだ」と思う。



前川 ヤスタカ 『勉強できる子 卑屈化社会』

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ノンフィクション。
なぜ「勉強できること」を後ろめたく感じてしまうのか、について論じた本。
元・勉強できる子としては「学生時代に読んでおきたかった!」と思った。
ぼく自身は生きにくかった、というほどではなかったけど「勉強できるだけじゃないんだぜ」ということを見せようとしてむりにバカなことをしていたフシはあったなあ。



木村 元彦 『オシムの言葉』

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ノンフィクション。
サッカーはほとんど観ないけどこの本はおもしろかった。
ユーゴスラビアという民族紛争を抱えた地域。采配や勝敗によっては殺されかねないという状況で、文字通り"命を賭けて"サッカー・ユーゴスラビア代表の監督をやっていたイビチャ・オシム氏。
この本を読んだ人は、「絶対に負けられない闘いが……」という言葉を恥ずかしくて口に出せなくなるだろうね。



牧野知弘 『空き家問題』

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ノンフィクション。
この先、日本は空き家だらけになり、家は負債でしかなくなる……。という状況について不動産の素人にもわかりやすく解説している。
超高齢化社会にさしせまった恐怖。へたなホラーよりよっぽど怖いぜ。



岩瀬 彰 『「月給100円サラリーマン」の時代』

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ノンフィクション。
あまり語られない戦前~戦中のサラリーマンの生活をいきいきと描写している。
日本史の授業の副読本に使ってもいいんじゃないかと思うぐらいうまくまとまっている。おもしろいし。
サラリーマンが戦争に駆り出されるくだりは、70年後のサラリーマンとしてぞっとした。



伊沢 正名『くう・ねる・のぐそ』

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エッセイ。
屋内でウンコをしないという筆者による、野糞まみれ だらけの一冊。どのエピソードもぶっとんでいるようで、意外とまじめ。
もしかしたらこの人、百年後にはファーブルのような扱いを受けて子ども向けの伝記になっているかもしれないな。



貴志 祐介 『黒い家』

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サスペンスホラー。
後半の殺人鬼に追い詰められるシーンもスリル満載でおもしろいが、なんといっても前半の正体のわからない恐怖がじわじわと迫ってくる描写が見事。
寝る前に読んでいたけれど、「これ中断したら怖くて眠れなくなるやつだ」と思って夜更かしして最後まで読んでしまった。



池井戸潤 『空飛ぶタイヤ』

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小説。
実際にあった横浜母子3人死傷事故を題材に、ホープ自動車(モデルは三菱自動車)と関連会社の腐敗を描いた小説。
三菱銀行の社員だった池井戸潤が書いただけあって重厚。ストーリーはよくある展開なんだけど、圧倒的なパワーで引きこまれてしまった。



ミチオ・カク『2100年の科学ライフ』

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ノンフィクション。
最先端の研究者たちの話をもとに、2100年までに訪れる科学の変化を大胆に予想している。
もしかしたら、ぼくらが「寿命のあった最後の世代」なのかもしれない。



石川拓治 NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」制作班
『奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録』 


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ノンフィクション。
農薬を使わずにリンゴをつくる、それだけ(といったら失礼だけど)でこんなに感動するなんて。
木村秋則というたった一人の農家の偉業が、世界中の農業の姿を変える日がくるかもしれないな。わりと本気でそう思う。


高野 誠鮮『ローマ法王に米を食べさせた男』

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エッセイ。
過疎化・超高齢化が進む地域を「UFOの里」「ローマ法王が食べた米の生産地」として有名にした公務員の話。
これを読むと、自分がふだんいかに想像力にふたをして生きているかがわかる。
活力が湧いてくる本だ。



小熊 英二 『生きて帰ってきた男 ――ある日本兵の戦争と戦後』


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ノンフィクション。
まったく無名な男のさしてドラマチックでない生涯を淡々とつづっただけ……なのにめちゃくちゃおもしろい。
戦争ってドラマじゃなくて現実と地続きのものなんだと改めて思わされた。



来年もおもしろい本に出会えますように……。


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