2018年6月17日日曜日

住みたくない町、それは京都

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いくつかの町に住んできた。大阪で生まれ、兵庫で育ち、京都で学生生活を送り、愛知で働き、兵庫に戻り、結婚して大阪に住んでいる。

特にこの町が好き、というのはない。幼稚園から高校まで過ごした町は好きだが、これはいちばん長く住んで友人が多いから、という理由であって、町自体の魅力は低いように思う。思い出の中にあるから美しい町だが、今住んだら退屈きわまりない町だろう。ふるさとは遠きにありて思うもの。

大好きな町はないが、住みたくない町はある。
京都だ。
今まで住んだ町の中でいちばん住み心地が悪かった。正確には京都市内。

盆地だから夏は暑いし、冬は寒いし、人は多いし、学生が多くてやかましいし、観光客が多くて人の流れは悪いし、バスやタクシーがひしめいているし、しょっちゅう祭りで交通が麻痺するし、ほんとに住みにくかった。
住みたくない町、ダントツのナンバーワンだ。

観光都市なのに、根っこのところではよそものを受け入れない風土もそうだ。
ぼくは京都で代々続く仏具屋の子の家庭教師をしていた。その家のお母さんが会話の中で「あの人は京都の人やないからねえ」と言うのを何度か聞いた。
嫌味っぽく言うわけではない。ごくごく自然に口をついて出る、という感じだった。ぼくらが「彼は日本人じゃないから文化や考え方も違うよね」というような調子で「あの人は京都の人じゃないから」というのだ。京都人にとって「京都の人じゃない人」はそれぐらい遠い存在なのだ。


住んでいたときは嫌いな町だったが、たまに京都に遊びに行くとおもしろい。独特の文化はあるし、見てまわるところは多いし、伝統ある食文化もあるし、新しい文化に寛容でもある(京都市内にはギャラリーやスタジオも多い)。
マニアックな古書店が並んでいたり、古い銭湯があったり、安くてうまい飲み屋が道の奥に隠れていたり、小さなエスニック料理屋や古着屋が小路に並んでいたりと、なんでもない道を歩いているだけでもぜんぜん退屈しない。なんと楽しい町なんだろう、ここに住んだら楽しいだろうなとすら思えてくる。


郷土と京都は遠きにありて思うものだ。


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1 件のコメント:

  1. 京都出身者ですが、京都人はすぐに人の出自聞いてくる所が嫌い。
    なんか村社会そのもの。すきあれば差別する肚なんですよあの人種は。
    ちなみに今は大阪に住んでいますが、大阪で出自なんか聞かれた事一度もないですよ。
    大阪は出身地よりも経歴を重視するように思う。

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