2018年3月3日土曜日

本を嫌いにさせるフェア

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書店で働いてるとき、読書感想文のシーズンになるとふだん本を読まなさそうな子ほど漱石とか太宰とか難解な本を買いに来ていた。
レジで太宰を手渡しながら、あーあ、この子たち余計に本嫌いになるんだろうなーと思ってた。

あれは夏の文庫百冊フェアとかやってる出版社にも責任があると思う。
ああいうところに、いわゆる文豪の作品を入れないほうがいい。
ほんとに好きな子は夏の百冊に入ってなくても買うし。
  • 本を読まない子でも作者やタイトルは聞いたことがある
  • 人気漫画家に描かせたポップな表紙
  • 著作権切れの作品だから他より安い
と条件がそろってたら、そりゃ本の選び方を知らない子は漱石や太宰を買っちゃうよ。そして本嫌いの子が増えてゆく。


夏の百冊フェアをやるのなら、とっつきやすい短篇集、ティーンが主人公の話、ユーモアあふれるエッセイなどだけでそろえたらいい。それも、教科書には載ってない現代作家の。
そしたら「学校で習わないけどおもしろい本が本屋にはいっぱいあるんだ」と気づいてもらえるのに。

ぼくが、ふだん本を読まない子のために文庫の中から選ぶとしたら……


村上 龍『69 sixty nine』

椎名 誠『わしらは怪しい探険隊』

原田 宗典『十七歳だった!』

東野 圭吾 『あの頃ぼくらはアホでした』

畑 正憲『ムツゴロウの青春記』

東海林 さだお『ショージ君の青春記』

みうら じゅん『正しい保健体育 ポケット版』

高野 秀行『異国トーキョー漂流記』

群 ようこ『鞄に本だけつめこんで』

北 杜夫『さびしい王様』

佐藤 多佳子『黄色い目の魚』

重松 清『ナイフ』

星 新一 『未来いそっぷ』

宮部 みゆき『我らが隣人の犯罪』

伊坂 幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』

貴志 祐介 『青の炎』

小川 洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』

誉田 哲也 『武士道シックスティーン』

筒井 康隆 『旅のラゴス』

清水 潔 『殺人犯はそこにいる』

大崎 善生『聖の青春』

橘 玲『亜玖夢博士の経済入門』

岩瀬 彰『「月給100円サラリーマン」の時代』

木村 元彦 『オシムの言葉』

スティーヴン キング『ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編』


こんなとこかな。
どれもおもしろくて、世界をちょっとだけ広げてくれる。ぐいっと。

おっさんが選んだ本だから古いリストだけど。



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