2018年8月6日月曜日

【短歌集】揺れるお葬式

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高架下葬儀会場 急行が通過するたび死人が笑う


各駅停車(かくてい)が上を超えてく葬儀場 坊主の読経はビブラートなり


満員の通勤快速通るたび 喪服がはだけてゆく未亡人


「あの故人(ひと)はシャンパンタワーが好きでした」寡婦の独白、不吉な予感


特急の振動、心臓マッサージ 死んだ老人息吹き返す


「振動で三途の川が氾濫し川の向こうへ渡れなかった」


あの人が生前愛したかつお節 焼きたて遺骨の上で踊る



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