『大人もおどろく
「夏休み子ども科学電話相談」』
NHKラジオセンター「夏休み子ども科学電話相談」制作班
NHKラジオで毎年やっている『夏休み子ども科学電話相談』。この番組は聴いたことがないけれど、Twitterなんかでよく話題になっている。
質問も回答もどっちもおもしろいなあと思っていたので、この本を読んでみた。
小学生の素朴な疑問を読むと、そういえばぼくもわかっていたつもりになっていたけど知らなかったことなあと気づかされる。
かき氷を食べたら頭が痛くなることとか、飛行機雲ができることとか、現象としては知っているけど「なぜ?」と訊かれると答えられない。
飛行機雲ができるには温度と湿度の条件がそろっていないといけないとか、言われてみれば納得なんだけど考えたこともなかった。
小学生よりある程度科学的知識を身につけた大人のほうが説明をすっと受け入れられて楽しめるかもしれない。
へえそうなんだと感心したのはこんな話。
- かき氷を食べて頭が痛くなることを医学用語で「アイスクリーム頭痛」という
- 地球で最初の生物は宇宙から来たという説も有力(隕石にくっついていたアミノ酸からできた)
- 植物に優しい言葉をかけても元気にはならないが、植物にふれると強くなる
いちばんおもしろかったのは「好きなのに嫌いと言ってしまうのはどうして?」という質問。
ふうむ。たしかにそうだよねえ。動物はもっと好意を前面に出すのに、人間はなかなか素直になれないよね。
「私はあなたを好きです」をストレートに伝えたほうが恋愛関係も友人関係もうまくいく可能性が上がるだろうに、なかなかそれができない。言われてみればふしぎだ。
ぼくも好きな子に冷たくして何度も後悔した。素直に好きと言える人をうらやましいと思っていた。
この質問に対する答えは「好きという感情を隠しておいたほうが集団はうまくいくことが実験でわかっている」だった。
なるほど、それもわかる。「好き!」を前面に出す人って社会的にアレな人が多いもんね。街中でいちゃつくカップルって不愉快だし。
「〇〇さんが好き!」を全身全霊で表現するってことは、その他の人に「あなたは好きじゃない」って言うのと同じだから社会から疎外されちゃうのかもね。
でもコミュニティがぶっ壊れた破滅的状況においては、コミュニティの維持よりも自身の生殖のほうがずっと大事になるから、「好き!」を前面に出す人が繁栄するかもしれないね。
人目をはばからずにいちゃつくカップルばかりの世の中。いやだなあ……。
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