区民プールあるある言いまーす!
「ちょっとレーンが空いてくるとバタフライやりがち」
区民プールにはいつ行ってもそこそこ人がいる。ひとつのレーンでだいたい3人ぐらいが泳いでいる。
たまに、2人ぐらいになる瞬間がある。するとすかさずバタフライをやるやつがいる。
プールに行かない人や「いやわたくしは自宅の庭のプールで泳いでいますがそんな人は見たことありませんわ」って人にはぴんと来ないだろうけど公共のプールではよく見る光景だ。
なんなんでしょう、アレ。
そんなにバタフライやりたいの?
一応「前を向いたまま早く泳げる」というのがバタフライのメリットらしいが、なんとも微妙なメリットだ。
疲れるし、かっこ悪いし、水しぶきだけはすごいし、バタフライなんか何が楽しいんだと思うんだけど、でもすきあらばバタフライをしかけてくるやつがいる。しかもけっこう多い。
あれは完全に貧乏性だろう。
バタフライは幅をとる。バタフライは2車線使う。
10トントラックでさえ車幅は1車線の中にぎりぎりおさまる。2車線使う車両は戦車ぐらいだ。つまりバタフライは戦車だ。
対向レーンに人がいるときにはバタフライができない。
だから向こうから人が来ないと「あっ、今ならバタフライできる! やらなきゃ損!」という気持ちでたいしてやりたくもないバタフライをやっちゃうのだろう。
こういう人は正月バーゲンで必要もない福袋を買っちゃう人だと思う。「今なら半額!? 買わなきゃ損!」とほしくもない福袋を買うタイプだ。
業務スーパーで安いからといってロールパン50個ぐらいまとめ買いしちゃうタイプだ。
まあレーンにひとりしかいないときならバタフライでも水球でも好きにしたらいいけど、困るのがプールの対岸に人(ぼく)がいるのに、バタフライをしかけてくるやつらだ。
向こうからバタフライでばっしゃんばっしゃんとこちらに向かってくる。もちろん対向車線も使って。
「おれはバタフライやるけど文句あるか?」という威圧感がある。ヤンキーがわざと車線をはみだして走るのといっしょだ。
ぼくは負けじとクロールをしかける。脅しには負けないぞという強い意志をこめて。ぼくはテロには屈しないぞ。ミサイルには経済制裁だ、ぐらいの気持ちで水をかく。
するとバタフライヤンキーはすれ違う寸前までバタフライをして、こちらが脅しに屈しないのを悟ると、ぎりぎりでクロールに切り替える。
そうまでしてバタフライがしたいのか。彼らをバタフライに駆り立てるものは何なのか。ぼくの知らない快感がバタフライにはあるのか。
ということで一首。
すきあらばバタフライをする君よ 誇示か威圧か快楽なのか
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