バカリズムライブ『ぎ』
・オープニング
『ぎ』というライブタイトルについての語り。
『ぎ』ではなく他の文字でもよかった、ただし『ぬ』はだめだ、あえてマニアックな文字を選ぶセンスのアピールがダサいから、しかし『の』は優しい、と独特の主張をおこなうバカリズム。トークから「バカリズムライブを擬人化する」というメタな構成のひとり芝居につながってゆき……。
はじめて「ゆず」というアーティスト名を知ったときに「うわあ、あえてかっこよさを目指してませんよっていうアピールが透けて見えてかえってダサいなあ」と感じたのを思いだした。
・(オープニングアニメーション)
「ぎ」の文字が流れてゆく映像と「ぎ」だけの歌詞の歌が流れるアニメーション。
・『過ぎてゆく時間の中で』
余命を教えてくれ、もう覚悟はできているからと医者に懇願する患者。
意外な余命を告げられ、残された時間の中で何ができるかと慌てだし……。
「大型連休の話じゃないですよね?」
「茹で時間の話じゃないですよね?」
演技力の高さが光るコント。コントというより喜劇といったほうがいいかもしれない。芝居として見入ってしまった。
電器屋に「溶けるスマホ」を探しにきた客と店員のやりとり。
レストランにてひたすら長いメニューを注文する客。
・(幕間アニメーション)『ギガ』
電器屋に「溶けるスマホ」を探しにきた客と店員のやりとり。
・『難儀と律儀』
これはちょっとイマイチだったなあ。幕間映像でもよかったような。
地球外生命体にしか見えない友人の告白「じつは他の……」
某テレビ番組のカメラリハーサル中に、「草野」役のスタッフが「黒柳」役や「まことくん」役のスタッフを叱りはじめる。
コントの仕掛けとしてはシンプルだが「足のくさいホランさん」「金に汚いLiLiCoさん」といったフレーズや、某番組のテーマ曲の使い方が絶妙。
今回のライブでを唯一「ぎ」がつかないコント。
のんが、ぬンターネット、にソコン、ぬレステ4のある「のんが喫茶」が舞台。
うーん、次の展開がほしかったな。これは期待はずれ。
区役所への行き方を尋ねる、区役所というあだ名をつけられる方法を尋ねられる……。
どMの男がデリバリー女王様を呼んだら、なぜか中年の男がやってきて……。
これは好きなコント。いい発想だなあ。「村上春樹」という小道具も絶妙。品のある中年男性にふさわしいチョイスだよね。
日曜の朝にテレビ局がしゃあなしでやっているような番組『月刊テレビ批判』。とあるサスペンス番組に寄せられた苦情を紹介する。
高校の三者面談。靴屋になりたいという生徒に進学を勧めるために「じゃあちょっと靴屋やってみよっか」と提案し……。
漫才コントの定番導入である「じゃあちょっとやってみよっか。おれが〇〇やるからおまえは……」のパロディ。安い芝居をする芸人への皮肉が込められていてにやりとさせられる。たしかにプロなら「ウイーン」はそろそろ終わりにしないといけないよね。
今回いちばん笑いの多かったコント。
お母さんがボケだしたときの担任のうれしさを隠しきれない顔がたまらない。
カフェで彼女と話す疑り深い男。
恋人が親に決められた婚約者と結婚することになった男。披露宴に乗りこんで花嫁を略奪しようかと思うがよく考えてみると……。
彼氏、花嫁、花婿それぞれの思惑が錯綜する様子を描いた、パワーポイントあり、歌あり、芝居ありのスケールの大きな(?)コント。
少しカッチリしすぎているコントだが、随所にばかばかしさをとりいれて頭でっかちな印象になりすぎないようにうまく調整されている。
すごくおもしろいわけではないけど、ラストにふさわしい完成度の高いコントだった。
「ぎ」と「の」だけの歌詞の歌。
前作『類』に比べると、笑い・奇抜性ともに少しスケールダウンしたかなという印象。
ただ、芝居のうまさは相変わらずなので演劇として見てもレベルが高いし、爆発的な笑いの起こるコントこそなかったもののすごく見劣りするコントもなかった。平均は下がってない。
今回は幕間映像がどれも良かった。アニメもバカリズム自身で作っているというからすごい。コントライブの幕間映像というと、箸休め的なものや「ファンには楽しめるもの」なんかが多いのだが、『ぎ』は幕間映像でもがっつり笑いをとりにきていた。
特に『疑惑の螺旋』は、大喜利として見たらそこそこレベルぐらいなのに「日曜朝の退屈な番組」っぽく見せることでなんだか妙なおもしろさが漂っていて好きだった。もしかしたらあのフォーマットに乗せたらなんでもおもしろくなるのかも。見せ方がうまいねえ。
数多くのコントを作っていたらどうしてもパターン化されてきそうなものなのに、バカリズムコントは趣向がそれぞれちがう。過去の作品とも似ても似つかぬコントを毎回放りこんでくる。
「常に新しいことにチャレンジする」という姿勢だけは不変だ。
・(幕間アニメーション)『銀』
地球外生命体にしか見えない友人の告白「じつは他の……」
・『ふしぎ』
某テレビ番組のカメラリハーサル中に、「草野」役のスタッフが「黒柳」役や「まことくん」役のスタッフを叱りはじめる。
コントの仕掛けとしてはシンプルだが「足のくさいホランさん」「金に汚いLiLiCoさん」といったフレーズや、某番組のテーマ曲の使い方が絶妙。
・(幕間アニメーション)『卒業』
なにかになることが夢だと語る青年。
「どこかの誰かが何者かになにかされてどうにかなっちゃうの」
・『の?』
今回のライブでを唯一「ぎ」がつかないコント。
のんが、ぬンターネット、にソコン、ぬレステ4のある「のんが喫茶」が舞台。
うーん、次の展開がほしかったな。これは期待はずれ。
・(幕間アニメーション)『律儀』
区役所への行き方を尋ねる、区役所というあだ名をつけられる方法を尋ねられる……。
・『六本木の女王』
どMの男がデリバリー女王様を呼んだら、なぜか中年の男がやってきて……。
これは好きなコント。いい発想だなあ。「村上春樹」という小道具も絶妙。品のある中年男性にふさわしいチョイスだよね。
・(幕間アニメーション)『疑惑の螺旋』
・『志望遊戯』
高校の三者面談。靴屋になりたいという生徒に進学を勧めるために「じゃあちょっと靴屋やってみよっか」と提案し……。
漫才コントの定番導入である「じゃあちょっとやってみよっか。おれが〇〇やるからおまえは……」のパロディ。安い芝居をする芸人への皮肉が込められていてにやりとさせられる。たしかにプロなら「ウイーン」はそろそろ終わりにしないといけないよね。
今回いちばん笑いの多かったコント。
お母さんがボケだしたときの担任のうれしさを隠しきれない顔がたまらない。
・(幕間アニメーション)『疑い男疑う』
・『疑、義、儀』
恋人が親に決められた婚約者と結婚することになった男。披露宴に乗りこんで花嫁を略奪しようかと思うがよく考えてみると……。
彼氏、花嫁、花婿それぞれの思惑が錯綜する様子を描いた、パワーポイントあり、歌あり、芝居ありのスケールの大きな(?)コント。
少しカッチリしすぎているコントだが、随所にばかばかしさをとりいれて頭でっかちな印象になりすぎないようにうまく調整されている。
すごくおもしろいわけではないけど、ラストにふさわしい完成度の高いコントだった。
・(エンディング)
「ぎ」と「の」だけの歌詞の歌。
前作『類』に比べると、笑い・奇抜性ともに少しスケールダウンしたかなという印象。
ただ、芝居のうまさは相変わらずなので演劇として見てもレベルが高いし、爆発的な笑いの起こるコントこそなかったもののすごく見劣りするコントもなかった。平均は下がってない。
今回は幕間映像がどれも良かった。アニメもバカリズム自身で作っているというからすごい。コントライブの幕間映像というと、箸休め的なものや「ファンには楽しめるもの」なんかが多いのだが、『ぎ』は幕間映像でもがっつり笑いをとりにきていた。
特に『疑惑の螺旋』は、大喜利として見たらそこそこレベルぐらいなのに「日曜朝の退屈な番組」っぽく見せることでなんだか妙なおもしろさが漂っていて好きだった。もしかしたらあのフォーマットに乗せたらなんでもおもしろくなるのかも。見せ方がうまいねえ。
数多くのコントを作っていたらどうしてもパターン化されてきそうなものなのに、バカリズムコントは趣向がそれぞれちがう。過去の作品とも似ても似つかぬコントを毎回放りこんでくる。
「常に新しいことにチャレンジする」という姿勢だけは不変だ。
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