2018年7月10日火曜日

号泣される準備はできていた

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四歳の娘を連れて、実家(つまり娘からすると「おばあちゃん家」)に泊まりに行く。

一日中おじいちゃんおばあちゃんやいとこたちと遊んで、娘は終始テンション高め。
ふだんはぼくと入るお風呂にも「(いとこの)〇〇ちゃんと入る!」といって、子どもたちだけで入浴した。もちろんおもちゃをいっぱい持って入り、一時間ぐらい遊んでいた。

そして夜。
娘は「〇〇ちゃんといっしょに子どもだけで寝る!」とのこと。

「わかった。じゃあおとうちゃんは下で寝てるからね。おやすみ」というと、
娘が心細そうに「二階で寝るけど、もし途中で寂しくなったら下に来てもいい?」と。

「はいはい。いいよ」と言ってぼくも布団に入った。
五分すると娘が階段を降りてきた。「どうした? 寂しいの?」と訊くと、「ううん。でも夜中に寂しくなったら降りてきてもいい?」との返事。

もう寂しくなってるやんと思いながらも、おもしろかったのでもうちょっと様子を見ることに。
「いいよ。二階で寝るのね。じゃあおやすみ」

今度は三分後。また降りてきた。
涙をせいいっぱいこらえた顔で「もしも、もしも、夜中に寂しくなったら、降りて、きても、いい?」と云う。
たぶん「いっしょに寝よう」と言ってほしかったのだと思うが、ぼくも意地悪なもので気づかぬふりをしたまま
「もしも寂しくなったらね。じゃあおとうちゃんはここで寝るからね。おやすみ、バイバイ」
と手を振った。

はたして一分後に、娘が号泣しながら降りてきた。「やっぱりいっしょに寝て!」

「手つないで寝て!」というので、手を握りながら寝た。



娘の気持ちはよくわかる。
ぼくも同じような経験をしたからだ。
五歳のとき、いとこの家で遊んだ。めちゃくちゃ楽しかったのでぼくと姉は「まだ帰りたくない!」と言い、伯母さんに「よかったら泊まっていってもいいよ」と言われたのに乗じて「子どもだけ泊まる!」と宣言した。

両親はぼくと姉を置いて帰宅した。ぼくと姉は楽しくご飯をごちそうになり、楽しくお風呂に入り、そして布団に入った。
布団に入ったとたんに心細くなり「やっぱり家に帰る!」と大泣きした。困りはてた伯母さんはぼくの親に電話をし、一度帰宅した両親は夜中に車で迎えに来てくれた(車で一時間ぐらいの距離だった)。

子どもというやつは遊ぶときは親がいなくても平気でも、布団に入ると急に心細くなるものらしい。



そして経験から学ばないのもまた子どもである。

保育園の友だちから「家に泊まりに来ていいよ」と言われた娘は、「Nちゃんの家に泊まりにいく!」と言いだした。
「同じ家の別の部屋」でも耐えられなかったのに「別の家にひとりで泊まる」なんてできるわけがないでしょ、と言っても聞く耳持たず。

やれやれ。やれやれやれ。


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