2018年7月27日金曜日

【短歌集】病弱イレブン

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チームメイト追悼試合の最中に死んだ選手の追悼試合



リズム感に欠く彼らのドリブルは まるで銃弾浴びてるかのよう



病弱の健闘むなしく無情にも響きわたるはキックオフの笛



勝ったのに2回戦には上がれない トーナメントにスロープつけて



病弱を支えて励ます女子マネが ひそかに計算せし内申点



全員が倒れし後も好勝負演出するはベルトコンベア



負傷者を乗せた担架を持ちあげる隊員たちの強さが際立つ



タックルをしかけた側が倒される サッカーだけに踏んだり蹴ったり



あと一歩 病弱イレブン破れ散る 勝者はお掃除ロボットルンバ



看護師の制止を振り切り出場し 血を吐きながらキックオファァアああ



敵味方 赤と青とに分けるのは ユニフォームでなくサーモグラフィー



永遠のものなどないと思ってた 彼らにとっては終わらぬ試合



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