2018年7月23日月曜日

【読書感想文】 氏田 雄介『54字の物語』

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『54字の物語』

氏田 雄介(著) 佐藤 おどり(イラスト)

内容(Amazonより)
9マス×6行の原稿用紙につづられた「#インスタ小説」がついに書籍化! こどもから大人まで楽しめる、世界一短い(かもしれない)短編小説90話をあなたに。あなたはこの物語の意味、わかりますか――? ◆先日研究室に送ってくれた大きなエビ、おいしかったよ。話は変わるが、例の新種生命体のサンプルはいつ届くのかね? ◆「ただいま」と言えば「お帰りなさい」と返ってくる新生活が始まった。家賃も安いし、こんな一人暮らしも悪くない。 ◆本当にこんな惑星に生命体が存在するのだろうか? 一年間に及ぶ実地調査の最終日、幸いなことに私はうんこを踏んだ。 ◆「くそ! 逃げられたか!」「いえ、あの方は何も次まなかったわ」「いや、奴はとんでもないものを次んでいきました」 ◆「やあ、私は未来から来た。今は戦前か?」「いや、戦後から七十年は経っているが」「ということは二十二世紀だな」 物語の解説&他の物語は、ぜひ本書でお楽しみください!

54字という制約の中で書かれた(一部54字未満の作品もあるが)ショートショート90篇。
ショートショートが好きで、星新一全作品はもちろん、阿刀田高作品や『ショートショートの広場』も読みあさったショートショート好きのぼくとしては放ってはおけない。

内容は玉石混交だけど、おもしろかった。さくっと読めるのもいい。
ショートショートとしてはわりとベタな内容も多く、やや子ども向けかもしれない。小学生に本好きになってもらうための入口にはぴったりかもしれないね。

作品はおもしろかったが、解説やイラストが蛇足だった。
解説は作品を野暮ったらしく説明して、イラストはひねりなく情景をそのまんま書いただけ。作品がおもしろくても解説されるとつまんなく感じてしまうんだよなあ。ショートショートは解説しないからおもしろいのに。
これだったら解説とイラストを削って、その分『ショートショートの広場』みたいに一般公募した作品を載せてほしかった。

ぼくが好きだった作品を三つ選ぶなら↓↓↓


金星で原住民に捕らえられた調査隊一行は、翌朝には解放されると聞き安堵の表情を浮かべた。夜明けまであと千時間。



数分間の格闘の末、彼が釣り上げたのは小さなゴム片だった。世界中の海面が少しずつ下がり始めたのはこの日からだ。



金属資源をめぐる戦争の最中、偶然にも大量の鉱脈が見つかり両国は歓喜した。「やった!これで新しい武器が作れる」


やっぱりショートショートはSFと相性がいいね。

娘が小学生になったら読ませてみようかな。


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