2021年10月15日金曜日

ボール遊び禁止の公園

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 近所の公園。

 小学二年生たちとドッジボールをやっていたら、警察官が来て「ここはボール遊び禁止なので……」と申し訳なさそうに言われた。

 え? 公園ですぜ?

 警官が指さす看板を見ると、たしかに書いてある。禁止事項として「スケボー・ボール遊びなど」と。

 いやあ。噂には聞いていたが本当だったか。公園でボール遊びが禁止だなんて。

(警察官の名誉のために書いておくと、彼は横で野球をやっていた高校生ぐらいの子に注意しにきて、「高校生に注意して小学生の方は見てみぬふりするのは不公平だから」って感じで一応注意しにきたのだった)


 それにしてもなあ。

 五十メートル四方ぐらいのだだっ広い公園だぜ。

 硬式野球ならわかるが、小学二年生のドッジボールだぜ。何があぶないんだ?

 ここでボール遊びしないなら、このスペースは何のためにあるの?

 警察官に言ってもしょうがないので「へーい」と言ってその場はやりすごしたが、嫌な世の中になったものだ。嫌な世の中じゃなかった時代なんてないけど。




 一律に判断しようとするとこうなっちゃうんだよね。
「公園でやってもいいボール遊び」と「やっちゃいけないボール遊び」があるわけじゃん。

 そういうのって、厳密に線引きしちゃいけないわけよ。厳密に線引きしたら「じゃあ鉄のトゲのついた球をぶんなげることは禁止されてないからやってもいいんだな」ってなっちゃうから。

 だから法律はあえて曖昧にしてる。
「公共の福祉に反しないかぎり」とか曖昧な表現にとどめている。解釈の余地を残しとかないと「書かれてないからやってもいい」ってやつがぜったいに現れるから。

 だから公園の看板も「他人の迷惑になること、危険なことは禁止」でいい。
「スケボー禁止」って書くと、「これはスケボーじゃなくてジェイボードって名前です」「これはキックボードだから禁止されてない」ってなるから。

 だからルールはゆるくつくっておくほうがいい。
 迷惑かどうか、危険かどうかは利用者が個別に判断すればいい。揉めたときだけ警察官が出てくればいい。




 ついでにいうとさあ。

「ボール遊び禁止」と書かれた横に貼り紙があって
「子どもたちが遊ぶ公園なので喫煙は配慮いただきますようお願いします」とある。

 ボール遊びは「禁止」で、喫煙は「配慮いただきますよう」かい。そっちは禁止とちゃうんかい。 


 こういうのってさ。どうやったら変わるんだろうね。

 そりゃあね。いろんな人がいるからね。
 公園でボールをぶつけられたとかで、「公園でボール遊びすんな!」って人がいるのはわかるよ。
 でもさあ、それ以上に「公園でボール遊びしたい!」って人もいるわけじゃん。

 でも、行政に届くのは「ボール遊び禁止しろ」の声だけ。そんで禁止になる。
 そうなっていったら最終的に「公園は立ち入り禁止」にするまで終わらない。


「公園でボール遊びすんな!」に対抗する「ボール遊びさせろ」という声を届けるにはどうしたらいいんだろう。

 めんどくさいクレーマーになって、役所に電話入れまくって「ボール遊びさせろ!」って言いつづけるしかないんだろうか。
「ボール遊びさせなくて子どもがまっすぐ育たなかったらおまえら責任とんのか!」って理不尽なクレーム言いつづけるしかないんだろうか。

 やだなあ。


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