あれ。ちょっと待って。
脳ってそんなに大事じゃないかも。
とまああたしは気づいちゃった。人類がまだ気づいていない真実に。
SF作品には
「脳だけが活かされていてバーチャル空間で活動している(とおもっている)」
「古びた肉体を捨て、アンドロイドとして生まれ変わる」
「肉体は不要。頭脳だけを電子データに置き換えることで永遠の命を手に入れる」
みたいな〝肉体不要論〟がよく出てくる。
その背景には、脳を何より大事だとおもう思想がある。
でもさあ。
逆でしょ。
人間にとって、なくてもいいのは肉体じゃなくて頭脳のほうでしょ。
細菌でも虫でも植物でも動物でもそうだけど、生物の生きる目的って遺伝子を残すことでしょ。究極を言えば、子孫さえ残せるなら生殖器だけあればいい。
じゃあなんで頭脳なんてかさばるものがあるのかっていったら、より効率的に遺伝子を残すためだよね。餌をとって、遠くに移動して、多くの同種の生物と出会って、遺伝子を残すため。
それさえできれば頭なんかからっぽでもいい。頭からっぽのほうが遺伝子つめこめる。
言ってみれば、遺伝子はマリオ。人体はヨッシー。目的はマリオを無事にゴールまで届けること。そのためならヨッシーは乗り捨ててもかまわない。
人体は古びる。だから医学の進化によってどんどん取り換え可能になっている。
義手、義足、義歯、人工臓器、臓器移植、輸血。取り換え可能じゃないもののほうが少ないぐらい。
取り換えできないものの代表が脳だ。
今はね。取り替えたら別人になってしまう。
でも、ほんとにそう?
それは脳を中心に物事を考えているから。だけど脳なんて数ある臓器のひとつ。
こう考えてみよう。
スマホが壊れたので修理に出したら、データがすべてふっとんだ。初期状態に戻ってしまった。
そのとき「新しいスマホが手に入った」とおもう?
「自分のスマホはどこかに行ってしまった」とおもう?
おもわないよね。「スマホがリセットされた」とおもうだけだ。
逆に、機種変更をしたとき。データを古いほうから新しい機種に引き継ぐ。
このとき、メモリは以前のままだけど「新しいスマホを手に入れた」とおもう。
ここからわかるのは、スマホの本体とはデータではなく、ボディのほうだということ。
ボディが新しくなればデータが古くても「新しいスマホ」だし、ボディが変わらなければデータがふっとんでも「元のスマホ」だ。
人間も同じように考えればいい。脳は別のものに変わっても身体が変わらなければ同一人物だ。
そう考えれば、いつまでも古い脳を使いつづける必要なんかどこにもない。
脳が古くなったら新しい人工脳を使う。肉体が古くなったら新しい身体に取り換える。
そうやって、秘伝のタレみたいにつぎたしつぎたし使っていけばいいよね。
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