2018年5月27日日曜日
いつもにこにこの人が苦手
いつも笑顔の女性が苦手だ。
クラスにひとりはいるタイプ。いつもにこにこしていて、誰に対しても優しい。けっこうかわいくて、勉強もそこそこできる優等生。
誰からも嫌われない。ぼくも嫌いじゃない。でも、苦手。
なんでだろう。なぜか遠ざかってしまう。
もちろんぼくにも優しくしてくれる。うれしいけど、でも頭の中でアラートが鳴っている。「そいつは誰にでも優しいぞ、気をつけろ!」
べつに気をつけなきゃいけないことなんてない。優しさをありがたく受け取っておけばいい。
でもなんかこわい。陽の光にさらされたダンゴムシが逃げるように、日陰者のぼくは彼女から遠ざかる。
いつもにこにこしているけどほんとは腹黒い……なんてことはない。
そういう女性は、しゃべってみるとほんとにいい人なのだ。たとえ腹の中では悪だくみをしていたってかまわない。悪意を表に出さなければいい人だ。自分以外の人間なんて、外から見える部分がすべてなのだから。
なんでいつもにこにこしている人がこわいんだろうと考えて、笑顔が失われる瞬間を見たくないからじゃないだろうかと気づく。
いつもは不愛想な人が、ぼくと話しているうちに笑顔になったらうれしい。すごくうれしい。
でもいつもにこにこしている人が笑顔で話していてもそんなにプラスにならない。逆に、ちょっとでもつまらなさそうな顔をされたらすごく心配になる。
たぶん失うことがこわいんだろうな。「いつもにこにこ」の人は百点満点からスタートしているから、そこからは失うしかないもんな。
どんな人でも親しくなったら笑顔以外の表情も目にするだろうから、それがこわくて近寄れないんじゃないだろうかと思う。
でも「いつもにこにこ」の人がほんとに二十四時間ずっと笑顔を絶やさない人だったら……。それはもっとこわい。
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