2018年5月10日木曜日
バカなほうのピザ
「イタリアンレストランでピザを食べない?」という誘いを受け、
「ピザは嫌いじゃないけど、でもバカなほうのピザのほうがぼくは好きなんだよね」と答えた。
「バカなほうのピザ?」
「そう。マルゲリータとかマリアーナとかペスカトーレとかコンサドーレみたいなシャレオツなピザはそんなに好きじゃないんだよ」
「なんかいっこ違うの混ざってたけど」
「ぼくが好きなのは、ソーセージとチキンとマヨネーズとコーンとツナとジャガイモが乗ってる、バカみたいなピザなんだよ。四分の一ずつ違う味が楽しめたりするとなおいい」
「……要するに、イタリアンピザじゃなくてアメリカンピザがいいってこと?」
「そうそう、それが言いたかった。恥ずかしいから声を大にして言いにくいけど、アメリカンなバカピザのほうが好きなんだよ。イタリアンみたいな水牛の乳から作ったモッツァレラを選んだ素材厳選ピザじゃなくて、とにかくうまそうなものは全のっけだ! みたいなバカ丸出しのピザ」
「言わんとすることはわかるけど」
「イタリアのピザって、パスタとかサラダとか肉料理とかいろいろあるうちの一品って感じでしょ。そういうんじゃなくて、主食はピザ生地でおかずはトッピングです、みたいな栄養のことなんか何も考えてない、ていうか何も考えてない、そんな知性を感じないピザが好きなんだよね」
「いやなんていうか……」
「イタリアのピザはワインと一緒につまむものでしょ。アメリカのはコーラで流しこむものでしょ。イタリアのはレストランで会話を楽しみながら食べるものでしょ。アメリカのはソファに寝そべってくだらないテレビ番組を観ながら脳みそセーフモード起動してIQ60にして食べるものでしょ。そういうアメリカンピザが好きなんだよ!」
「いやその言い方。ほんとに好きなの?」
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