とある人が「世の中にはつまらない本が多い。誰だっておもしろくない本は読みたくない。だから読書離れが進んでる」と書いていた。
本好きのひとりとして、いやそれはちがうぞと思った。
うーん、どう説明したらいいんだろう。
そりゃおもしろい本を読みたいんだけど。おもしろくない本は読みたくないんだけど。
でも、つまらない本があるからおもしろい本を読む喜びがあるわけで。
本好きならみんなそれを知ってると思うんだけど。
たとえば野球観戦。
いちばん見たい展開ってどんなんかな。
僅差のゲームで終盤の逆転により贔屓チームが勝利、みたいな展開だろうか。見ていて気持ちいいよね。
でも全部がそんな試合だったら野球を観る楽しみは大幅に減少してしまう。
勝ったり負けたり、ときにはつまらないエラーで贔屓チームが負けたり、序盤に大差のついてしまうワンサイドゲームがあったり、そういう試合があるからたまに起こる逆転サヨナラゲームが楽しい。
野球観戦にかぎらず、どんな趣味でも同じだと思う。
いいときだけでないからこそおもしろい。
「誰だっておもしろくない本は読みたくない」と書いた人は、ほとんど本を読まない人だと思う。
誰にとってもおもしろい本ばかりになったら、そのとき本は死ぬだろうな。
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