NHKカガクノミカタ
くらべてみるゲーム
「賢くなる」を謳い文句にしているゲームは基本的につまらないので買わない、という信念があるんだけど、これはルールを読んでおもしろそうだったので買ってみた。
ルールはこんな感じ。
・「動物X」役(一人)と、「博士」役(それ以外の全員)に分かれる。
・「動物X」はさまざまな動物(哺乳類)が書かれたカードから一枚めくり、こっそり見る。
・比較対象となる動物カードをめくる。
・「博士」たちは質問カードにもとづいて「動物X」役に質問をして、「動物X」が何かをあてる。
シンプルなルールだ。たとえば「動物X」がオオカミで、比較対象がハリネズミだとする。
動物X役は、「どっちが大きい?」ならオオカミ、「どっちが飼いやすそう?」ならハリネズミと答える(主観も入る)。質問を重ねて、一種に絞っていくわけだ。
八歳の娘と何度かやってみたが……。
まず、ルールに忠実にやるとつまらない。おまけにむずかしい。欠点だらけだ。
質問カードがクソ
「強そうなのはどっち?」とかならいいが、「空を飛ぶのが上手そうなのはどっち?」とか「鼻が長そうなのはどっち?」とか、なんとも微妙な質問が多い。
動物カードは哺乳類ばかりなので、空を飛べるのなんてはモモンガぐらいしかいない。そりゃあカバよりもウサギのほうがまだ飛べそうだけど、そのあたりは主観なので人によるとしか言いようがない。
「どっちが鼻が長い?」もひどい質問だ。ゾウと比べたらすべての動物が短い側に入るので、まったく絞り込みに役立たない。カバとヒトのどっちの鼻が長いかなんて比べようがない。ウマやオオカミは顔の中心がつきでているが、あれは鼻が長いのか? それとも口が長いのか? よくわからない。
質問カードはダメな質問ばかりだ。「草を食べていそうなのはどっち?」とか(そんなの比べるもんじゃねえ)、「角が大きそうなのはどっち?」とか(両方ない場合比べようがない)、「耳が大きそうなのはどっち?」とか(絶対的な大きさなのか、それとも相対的な大きさなのかわからない。たとえばウサギは相対的に耳が大きいが、絶対的な大きさではサイより小さいだろう)。
動物カードが微妙
ゾウやキリンはいいとして、クマとかイノシシとかアルパカとかキツネとか、そんなに特徴のないやつも多い。二択の質問をくりかえしてタヌキかキツネかを見分けるとか、ライオンかトラかを見分けるとか、大人でもむずかしいぜ。子どもにはまず無理だ。
哺乳類にこだわることなく、ニワトリとかカメとかカブトムシとかタコとかバラエティ豊かな顔ぶれにしたらいいのに。
質問をしても絞れないことが多い
たとえば「比較対象カード」がライオンで、質問カードが「強そうなのはどっち?」なんてことが起こる。この質問をして、答えがライオンでも、答えがまるで絞れない。ライオンといい勝負ができるのはトラかゾウぐらいだからだ。ほぼ無意味な質問だ。
「比べることで動物Xを当てる」という大枠はいいのだが、ルールがひどすぎる。開発者はじっさいに子どもと遊んでみたのだろうか。
ってことでルールを改変してみる
まず質問カードをなくした。質問は自分で考える。
また、「比較対象カード」も自由に変えられることにした。
たとえば比較対象の動物をブタにして「大きいのはどっち?」と訊けば、だいたい半分ぐらいに絞られる。
これでなんとかゲームとして成立するようになった。しかし「タヌキとキツネを見分ける質問をするのがむずかしい」といった問題が残る。
もう動物カードもいらないかもしれないな。自分で動物を考えて、「それはキツネより大きいですか?」「それとネズミ、食べるならどっち?」といった質問をくりかえすことで当てるのだ。
質問カードも動物カードもいらない……。となると、そもそもこのゲームを買う必要がないな!
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