店長がいっぱい
山本 幸久
他人丼のチェーン店を舞台にした連作短篇集。
「店長の仕事はたいへんだけどときにはこんないいこともあるよね」みたいな人情話が並ぶのかとおもったら、ほぼ「店長の仕事はたいへんだよね」だけだった。
まあね……。ぼくも店舗(書店)で働いてたからわかるけど、ほんとにつらいことばっかりだった。そりゃその中に1%ぐらいは楽しいこともあったんだろうけど、もうぜんぜんおぼえてない。
朝6時から夜20時までの勤務。休憩は30分、しかもトラブルがあれば休憩中でも呼び出される。クレーマー対応。ガラの悪い客の相手。安い給料。長時間のサービス残業があたりまえで、たまに早く帰ると小言を言われる。
もう愚痴が止まらなくなるからこのへんにしとくけど、まあ書店にかぎらずどの店も同じようなもんだろうな。「社員が長時間働くほどバイトの人件費を削れて利益が出る」という構造があるかぎり変わらないよね。
ぼくもぐうたらなりに十数年社会人やってておもうのは、「顧客の顔が見える仕事」は危険だなってこと。
顧客の顔が見える仕事はやりがいを感じやすい。でもやりがいの感じやすさと待遇の良さはたいていの場合反比例する。「きつくてやりがいを感じられない仕事」はみんなやめていくから、「きついけどやりがいのある仕事」だけが残るのかもしれない。
本の感想は……。
特に言うことないや。
というか数日前に読み終わったばかりなのに、もうほとんどおぼえていない。つまりはそういう小説だってこと。
でも悪い意味ではなく、ひまつぶしに読むにはちょうどいい小説だとおもう。娯楽小説ってそういうもんだから。
つまんない小説のほうが後々までずっとおぼえてるからね。
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