酒井 敏 ほか
前作『京大変人講座』のほうがおもしろかったな。
アリの話はおもしろかったけど書いてあることはごくごくふつうのアリの生態の話だった。ぼくもけっこうアリは好きなので『クレイジージャーニー』の島田拓氏の回とか『香川照之の昆虫すごいぜ!』のアリの回とかを観ていたので、既に知っていることばかりだった。
アリのことを知らない人からしたらめずらしい話かもしれないけど、「変人講座」というテーマにはあんまりそぐわない気がするな。
「変なアリもいるから変人でもいい」ってのは持っていき方としてちょっと苦しいな。
『SUKIる学の教室』に関しては書いてあることがさっぱり理解できなくて、なんだこりゃ? ぼくの理解力が足りないのか? とおもっていたのだが、おしまいに越前屋俵太さんが「まったく意味がわからなかった」と書いてて安心した。ああ、ぼくだけじゃなかったのか。
わからなくて当然、わからないことを楽しめ、という講義みたいだ。ふうむ。そういう意図か。最初に言ってよ。
京大には「変人のほうがえらい、ふつうのやつはつまらない」という風土がある。少なくともぼくが通っていたときはまだそういう風潮があった。
多くの学問ってそういうところから生まれるんだよね。ダーウィンだって進化生物学の謎を解き明かそうとおもって学問をはじめたわけじゃないだろうし。たいていの偉大な研究者がそうだろう。
しかしそんな京大でも、ニュースなんかを見ているとどんどん「人に迷惑をかけないように意味のある行動をとりましょう」という方向に向かっていっているように見える。ちょっとずつだけど。
国の金でばかなことをできる場所って日本にまだ残ってるんだろうか。どんどん「税金でくだらないことに使うなんてとんでもない!」というせちがらい世の中になっていってる。
京大にはずっとバカ養成所であってほしいけど。
その他の読書感想文は
こちら
0 件のコメント:
コメントを投稿