体験的山道具考
プロが教える使いこなしのコツ
笹原 芳樹
うん、おもしろくなかった。
山登りの道具を紹介しているのだが、
「あれもいいですよ」「これもいいですよ」「これもあったら便利なんですよ」
とひたすら山道具を褒めていて、結局どれを買ったらいいのかわからない。
著者は登山用具店の店員だと知って合点がいった。
ああ、そりゃいいことしか書けないわ。いろんなしがらみがあるだろうから。
こっちが読みたいのは「〇〇はまったく使えない。買ったけど一度しか使わなかった」「〇〇社製の××はぜったいにやめとけ」みたいな本音の情報なんだけどな。
この本読むんなら登山グッズメーカーが出しているパンフレット読んでたほうがよっぽどためになるよ。タダだし。
ぼくのような初心者は「何はなくともこれだけは用意しろ」「雪山ならこれを用意しろ。雨天にそなえてこれを買っとけ」みたいな必要最小限の情報がほしいのだが、この本ではあれもこれもと勧めてくるので、結果「じゃあもう山登りやめとこう」という気になってしまう。
この本でおすすめされている道具を全部買ったら一千万円超えるんじゃないかな。
とはいえ役立った情報も。
「レスキューシート」なるものをこの本で知った。
これは良さそう! とおもい早速Amazonで購入して防災バッグにつっこんだ。
レスキューシートにかぎらず、登山用品ってたいてい防災グッズとしても使えるよね。
この本にも、東日本大震災後に電気や物流が止まったときに登山用品が活躍したと書かれている。
子どもが生まれて、防災について考えることが増えた。
独身時代は「大地震が起きたって自分ひとりぐらいなんとかなるだろ。まあ死んだら死んだときだし」みたいな考えだったが、一応父親になると「家族は守らなきゃ」「子どもが震災遺児になるのはかわいそうだから死ぬわけにはいかない」という意識が芽生えてきた。
登山用品は「いろいろ試してみて自分にあうものを選ぶ」という方法がいいとおもうが、防災用品はそうはいかない。
めったに使わないものだし、どの程度の災害にどんなふうに巻きこまれるかはまったくわからないのだから。
だから防災用品をそろえるにあたって「山で使って便利だった」というのは非常に大きな判断基準になる。
山で役立つアイテムがあれば、電気やガスや電話が止まってもしばらくは生きていけるだろうから。
防災用品をそろえるなら意外と登山用品店がいいかも。
防災訓練として登山をやってみるのもいいかもしれない。
あとゾンビが街を埋めつくしたときにも登山用品は役立ちそうだよね。ピッケルとかあればゾンビと戦えそうだし。
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