近所の男の子、Hくん。
人なつっこい子で、よく笑いながら「今日〇〇したんだ~」と話しかけてくれていた。機嫌がいいときはぼくの背中にとび乗ってきたりもしていた。
元気がありあまっていて、いつも走りまわっていた。
そんなHくんと公園で久しぶりに会った。
彼も小学二年生。
「おお、大きくなったなー」
と声をかけたが、軽く会釈をしただけで友だちと遊んでいる。
ありゃ。
久しぶりだからぼくのことを忘れちゃったかなーとおもって見ていたら、Hくんがこけて肘をすりむいた。
ウェットティッシュを持っていたので差しだして「ばい菌入るといけないから拭いとき」と言うと、Hくんは恥ずかしそうに
「ありがとうございます」
と言った。
あ、ありがとうございます……!?
あの、Hくんが!?
あの、すれちがいざまにいきなりパンチを食らわしてきていたHくんが!?
あの、まだ三歳だったうちの娘に出会い頭にいきなり「あげる」とひよこのぬいぐるみを渡してきたHくんが!?
あの、両手いっぱいにダンゴムシを抱えていたHくんが!?
あぁ……。
彼もいつのまにか幼児から少年になったんだなあ。
立派に成長しているのは喜ばしいはずのことなんだけど、正直、さびしい。
自分の子どもは早く礼儀正しくなってほしいけど、よその子はいつまでもむじゃきなままでいてほしい。
勝手な、そして決して叶わない望みだけど。
0 件のコメント:
コメントを投稿