悲しいお知らせではあるが、次女がイヤイヤ期に突入してしまった。
次女は長女に比べて気性がおだやかで、一般的にイヤイヤがひどいとされる二歳(長女も二歳がひどかった)を無事に乗り切ったので「この子はイヤイヤ期がないんだ」と安心していたのだが、そんなことはなかった。ただ遅れて来ただけだった。ちぇっ。
一度機嫌をそこねると、あれもイヤ、これもイヤ、とまったく話が通じなくなる。おまけに三歳なので、長女のときより言葉も達者だ。あれやこれやと言葉を尽くして駄々をこねる。
しかし長女ですでに経験しているので、こちらはわりと冷静にできる。
ぼくがよくやる対処法は「次女の言葉をおうむ返しにする」だ。
次女が「ごはんたべたくない!」と言えば、「ごはんたべたくないなー」と言う。
「おとうさん、まねせんといて!」と言われれば、「まねせんといてほしいなー」と言う。
「まねしないでっていってるでしょ!」と言われれば、「まねしないでっていってるなー」と言う。
当然、次女はますます怒る。
妻や長女からも注意される。「そういうことするから余計に怒るんやで」と。
わかっている。ぼくもわかっている。火に油だということは。
それでもぼくが怒っている次女の真似をする理由は、ふたつある。
ひとつは、怒りの矛先をそらすため。人間、同時に複数の対象に怒ることはできない。まねをしてわざと怒らせることで、当初の「ごはんたべたくない!」を忘れさせることができるのだ(まあできるときもあるしできないときもあるのだが)。
もうひとつは、ぼく自身の平静を保つため。かんしゃくを起こしている子どもに何を言っても無駄だ。まともな会話など成り立つはずがないのだ。なんとかとりなそうとすれば、こっちの腹まで立ってくる。
そうなったらもう泥沼だ。三歳児が怒り、大人も怒り、三歳児が泣き、大人は怒りが鎮まらない。何も言いことはない。
だったら、三歳児の怒りを鎮めるのは無理でもせめてこっちぐらいは平静を保たねばならない。そのための方策が「ひたすら相手の言うことをおうむ返しにする」である。
イヤイヤ期の幼児に腹が立つのは、まともなコミュニケーションがとれないからだ。あれもイヤ、これもイヤ、すべてイヤ、イヤだからイヤ、イヤなことがイヤ。
ところがはなからコミュニケーションをとる気がなければ、何を言われても腹が立たない。なんせこっちは「言われたことをおうむ返しにするロボット」なのだ。
子どものイヤイヤ期にお困りの保護者の方、「すべておうむ返し」はなかなかおすすめですよ。あんまり事態は好転しないけど、少なくとも悪化はしないから。
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