カササギたちの四季
道尾 秀介
連作ユーモア・ミステリ。
リサイクルショップを舞台にちょっとした事件が起こり、店長・華沙々木が探偵気取りで推理を披露するも、的外れ。
副店長の「ぼく」が暗躍してひそかに謎を解く……。
という筋書きの短編が四篇。
読んでいるほうからすると、華沙々木の推理も「ぼく」の推理もこじつけ度はどっこいどっこいなのだが、なぜか「ぼく」の推理だけがずばずばと的中する。
いろんな意味でご都合がよいのだが、まあ謎解きのシビアさに重きを置くタイプのミステリではないのでこれでいいんだろう。
謎解きは可もなく不可もなく、って感じだけど上手だったのは短篇四篇の構成。
主要登場人物三人がいろんな事情を抱えていたっぽい記述があるので
「あれ? これはシリーズものの第二作目か?」
とおもったのだが、後半でそのへんの過去の事情が明らかになる。
また一篇目のキャラクターが四篇目で活きてきたりと、単なる短篇四つの詰め合わせではない。
小説巧者、って感じだね。
ところで二十歳過ぎた男たちが、保護者の了解を得ずに女子中学生をあちこちに連れまわしているのが気になる。
本人の同意があったってこれは誘拐事件でしょ……。
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