2歳の娘が、気に入らないことがあると
「ダメあかん!」
と言うようになった。
奇妙な言葉だ。
もちろんわが家にはそんな言い回しを使う人間はいない。「ダメ」は言うが、「あかん」は子どもにたいしては使わないようにしている。
娘が通う保育園の先生に、世間話のついでに聞いてみた。
「娘が『ダメあかん!』という言葉を使うようになったのですが、そういうことを言う子がいるんですか?」
すると保育士さんは恥ずかしそうに
「あー……。それは、わたしたち保育士が言うからですね……」
と、そのわけを教えてくれた。
大阪の保育園なので、家で「あかん!」を聞かされて育つ子どもがいる。
一方、「ダメ!」と言う家庭もある。
保育士さんが子どもに注意をするときは危険が迫っているときが多いので、子どもに瞬時に言葉を理解させないといけない。
そのとき、ふだん「あかん!」と言われている子に「ダメ!」と言っても理解できない可能性がある。
そこで、どちらのケースでもすぐに伝わるように「ダメあかん!」なのだそうだ。
なるほど。
こうやって、大阪の園児たちは知らず知らずのうちにバイリンガルになってゆくのか。
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