2019年5月27日月曜日

未開部族だったぼくら

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「最近の大学生は二十歳になるまで飲酒禁止。ばれたら停学」
という話を聞いた。

へえ厳しい時代になったねえ、とおもったけど、よく考えたら昔が異常だったのだ。

若い人からしたら信じられないかもしれないけど、ぼくが学生の頃は「大学に入学したら酒を飲まなきゃいけない」時代だった。
「飲んでもいい」じゃない。
「飲まなきゃいけない」だった。

入学式の茶話会、学部の新歓コンパ、サークルの説明会、バイトの歓迎会……。
とにかく飲まされた。
十八歳でも十九歳でも飲めない体質でも関係なかった。
二十歳を超えた先輩、教授、バイトの店長などの"大人"は誰も止めなかった。"大人"が音頭をとって飲ませていた。

つくづく異常な時代だった。
そんなに大昔じゃない。十五年ぐらい前の話だ。


当然ながら死ぬやつもいた。
急性アルコール中毒になったり、酔って交通事故を起こしたり、けがをしたりけがをさせたり。
野蛮な時代だった。なにしろ当時の日本人は未開部族だったのだ。


それが、法律にしたがって二十歳で解禁という風潮になりつつある。
いい時代になったとつくづくおもう。

「十八歳で飲みはじめる」と「二十歳で飲みはじめる」は、危険性がぜんぜんちがうんじゃないかとおもう。

十八歳だと「大学でもバイト先でもサークル内でもいちばん下っ端」ということが多いだろう。
ほんとは飲みたくないとおもっていても、勧められたら断りにくい立場だ。

二十歳であれば中堅ポジション。ノーと言いやすい。

しかも十八歳から二十歳まで「酒を飲まずにコンパに参加する」という二年間を経ている。
飲酒が人にどういう影響を与えるのかを冷静に観察することができる。
これは大きい。
ぼくは大学に入ってほぼはじめて「たちの悪い酔っ払い」を目の当たりにした。周囲に酒癖の悪い人間はいなかったから。
「たちの悪い酔っ払い」を観察しておくことは、いざ自分が飲むときのブレーキとして機能するだろう。

「二十歳になるまで飲酒禁止」ルールを厳密に適用することで飲酒による事故やトラブルは大きく減るだろうな。知らんけど。

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