2019年5月16日木曜日

ごめんって言った

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(途中まで実話)

公園で子どもたちとあそんでいると、不意にKちゃん(三歳)が火がついたように泣きだした。
その場にいた大人が目を離したすきに、なにか痛い目に遭ったらしい。
「どうしたの?」と訊いても、泣くばかりで要領を得ない。

Kちゃんの隣にいたMちゃん(やはり三歳)に
 「Kちゃんがなんで泣いてるのか知ってる?」
と訊くと、
「Mちゃん、ちゃんとごめんって言ったよ!」
との返事。

どうやらKちゃんとMちゃんがぶつかったかなにかしたらしい。


ぼく「何が起きたのか知りたいから教えてくれるかな?」

M「Mちゃん、ごめんって言ったよ!」

ぼく「うん、それはわかった。べつにMちゃんのことを怒ってるわけじゃないんだよ。何があったか教えてほしいだけ」

M「Mちゃん、ごめんって言った!」

ぼく「うん、ちゃんとごめんなさい言えてえらかったね。で、Kちゃんはなんで泣いてるのかな?」

M「ごめんって言った!」

ぼく「ほら、おじさんぜんぜん怒ってないでしょ。おじさんは何があったのかを知りたいだけなんだよ。ぶつかったの? どことどこがぶつかったのかな? それによって手当てのしかたも変わってくるから」

M「ごめんって言ったのにー!(泣)」

ぼく「ご、ごめん……」


そこに駆けよってくるMちゃんのおとうさん。


M父「おい、どうしたんだ。なんでうちの子は泣いてるんだ!」

ぼく「私、ごめんって言いましたよ!」

M父「うちの子に何をしたんだよ!」

ぼく「私はきちんとごめんって言いました!」

M父「いや、そうじゃなくてなんでうちの子が泣いてるのかって訊いてるんだよ!」

ぼく「ですからごめんと言ったと言ってるじゃないですか!」


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