2021年12月1日水曜日

おいしくいただけない時代

このエントリーをはてなブックマークに追加

 かつては、たとえば「芸能人が大食いに挑戦!」的なテレビ番組では、出演者が食事を残したときには 「この後スタッフがおいしくいただきました」というテロップが出てきた。

 ぼくはEテレばかり観ているので知らないんだけど、たぶん今はなくなったんじゃないかな。

 だってコロナ禍においては「他人が残したものを口にする」なんて、「食べ物を粗末にする」以上の大罪だもの。


 かといって「このごはんはこの後手を付けずに廃棄しました」と書くわけにもいかない。

「一度はギブアップした出演者が後から食べました」だと、演出的によくなさそうだ。「なーんだ、まだ食えたんじゃん」となってしまう。


 今はどうしてるんだろう。大食い番組自体がなくなったんだろうか。

 それとも、大食い番組であっても、小分けにして出すようにしたんだろうか。

「超巨大ラーメンに挑戦!」という番組だけど、ファミレスで幼児のために出してくれるようなちっちゃい丼によそってから挑戦者に出すとか。わんこそばスタイル。

 これなら、残しても 「この後スタッフがおいしくいただきました」と言える。おおもとの巨大ラーメン自体には箸をつけていないから。


 しかしテレビは視覚的なメディアだから、それじゃあつまらないだろうな。

「5kgの超巨大ラーメンに挑む!」って言いながらちっちゃい丼でラーメンをすすっている映像じゃサマにならないもんな。


 どうするのがいいのかね。

「この後豚のエサにして豚がおいしくいただきました。ついでにその豚もスタッフがおいしくいただきました」とかどうかな。

 それでもやっぱり「豚にラーメンみたいな味の濃いものを食べさせるなんて!」という苦情がきたりするのかな。

「このラーメンは豚の健康にも配慮したものです」って書かなきゃいけなくなるな。

 だったらもう最初っから、出演者がラーメンすすっているときに「これは豚のエサです」とテロップ出すほうが早いね。




このエントリーをはてなブックマークに追加

0 件のコメント:

コメントを投稿