地下沢中也が好きだ。
『パパと踊ろう』全19巻
『新パパと踊ろう』全2巻
『創立100年ギンザ小学校』全2巻
『チューリップティーズ』全1巻
『片岡さんちのクリコちゃん』全2巻
『預言者ピッピ』2巻~
全部読んだ。『預言者ピッピ』以外は基本的に全部同じテイストの日常系ギャグ漫画だ。どれもそれぞれおもしろい。
でも『新パパと踊ろう』以降、おもしろさが持続しなくなった。『新パパと踊ろう』も『創立100年ギンザ小学校』も『チューリップティーズ』も、はじめはすごくおもしろい。でも途中から急に失速してきて、2巻ぐらいで終わってしまう。大丈夫か。精神的な病でも抱えてるんじゃないか。心配だ。
『預言者ピッピ』だけは壮大なスケールのSF漫画でギャグはない。
超巨大コンピュータによって生みだされた、あらゆる未来を予測することのできるロボット"ピッピ"をめぐる物語。
これもすごくおもしろいんだけど、ぜんぜん描いてくれない。なにしろ第1話が発表されたのが1999年で、単行本1巻が出たのが2007年。2巻が出たのが2011年。そして続きがまったく出ない。どないなっとんねん。
世の中には『ガラスの仮面』とか『BASTARD!!』とか『ヒストリエ』とかなかなか続きの出ない漫画は多いけど、ここまでペースの遅い漫画は他にちょっとないんじゃないだろうか。
このペースだと完結するまでに300年ぐらいかかるだろうから、ぼくの存命中に続きを読むことはもはや諦めている。
地下沢 中也『パパと踊ろう』の代表作といえば、誰がなんと言おうと『パパと踊ろう』だ。
しげる・よしはる・ふっ子の一家によるハートフルでバイオレンスでエロティックでグロテスクでナンセンスな漫画。父子家庭で父親が無職なのになぜかそこそこ安定した暮らしが送れている天知一家を描いた、一話完結ギャグ(ちなみになぜ父子家庭になったか、なぜ仕事をしていないのに収入があるか、の謎は19巻および『新パパと踊ろう』でようやく明らかになる)。
スケベで馬鹿でなまけものでどうしようもない父・しげるは、ぼくの理想の父親像でもある。
子どものときは父親は万能だと思っていたけど、自分が成長してみると、父親だって知らないことだらけだし人間的に未熟な部分も多いなと気づくようになる。特に反抗期には父のダメなところが目についた。
ぼくの父は「自分に知らないものはない」という態度をとる人間だったので、ぼくはその点を軽蔑していた(トータルではべつに嫌いじゃない)。「お父さんは万能だなんて思ってないのに、完璧であろうとするなよ」と思ってた。
『パパと踊ろう』の父・しげるは己の愚かさ、みっともなさを受け入れて子どもにも見せることができる。
ぼくも父親になったけど、しげるのように「お父さんもわからないことだらけだしまちがえてばっかりなんだよ」という姿を見せられる父親でありたいと思っている。さすがにしげるのようにエロさまでは見せたくないけど。
いったい今彼は何をしているんでしょうかねぇ・・・。
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