はじめてボードゲームカフェに行った。
ボードゲームカフェっていうか、正確にはボードゲームスペース。飲み物とか出ないので。その代わり持ち込み自由。場所代さえ払えば好きなだけボードゲームができる。
娘の友人家族と行ったので、ぼくを含め大人ふたり、7歳ふたり、5歳ひとり。
スタッフに「5歳でも楽しめるようなゲーム教えてください」とお願いして、以下六つのゲームをやった。
1.『ザ・マインド』
1~99の数字が書かれたカードがあり、プレイヤーごとに何枚かずつ配られる。
他人のカードはわからない。プレイヤー同士で相談することなく、小さい順にカードを出すことができればクリア。
たとえば5人いて、自分のカードが15であれば「1番か2番目だろうな」と予想する。でも他の人が出したそうなそぶりをしていたら、「あの人はきっと1桁だろう」と予想して出すのをやめる……といった感じ。
ほんとは一切の相談をしてはいけないとのことだが、それだとむずかしいので「少なめ」「今出てるカードにけっこう近い」みたいなことは言ってもいいこととした。
これは盛り上がった。全員で協力してクリアをめざすので、クリアできたときは一体感が得られる。しかし反面、失敗したときは責任のなすりつけあいみたいになるというデメリットもある。
2.『サメポリー』
東京国際サメ映画祭で生まれたというボードゲーム。
基本はモノポリーだが、プレイヤーが持つのはお金ではなく市民。そして盤面をサメがぐるぐる回っていて、サメに追いつかれたり、サメが自分の保有する都市に止まったりするたびに市民が食べられる。
本来4人まででプレイするゲームらしいが、ぼくらは5人でやった。そのせいもあって、サメの進行がとにかく速い(プレイヤー数が多くなるほどサメは速くなる)。だからどんどん市民が食べられる。市民が増える速度を食べられる速度が大きく上回っている。
というわけで、プレイしていてストレスフルだった。ふつうのモノポリーだと「いいこと」と「悪いこと」が半々ぐらいで起こるが、サメポリーは2:8ぐらいで悪いことのほうが多い。イヤな気持ちになるゲームだった。子どもからも不評。
3.『キャプテン・リノ』
ジェンガのようなバランスゲーム。家をどんどん高くしていって、くずれたら負けというシンプルなルール。
だがUNOのように「スキップ」「リバース」「カードを2枚出せる」「次のプレイヤーの難易度を上げる」といったカードがあるので、戦略も重要になる。
わかりやすくて盛り上がるゲーム。
4.『おばけキャッチ』
5つの駒(白いお化け、グレーのネズミ、青い本、緑のビン、赤い椅子)をスピーディーにとりあうゲーム。
駒をとってもよい条件はふたつ。
① 出されたカードに「色とモノが同じもの」が書かれている場合、その駒をとる。
② 出されたカードに「色とモノが同じもの」が書かれていない場合、色もモノも異なる駒をとる。たとえば青いお化けと赤いネズミが書かれていれば、青でも赤でもお化けでもネズミでもないもの(=緑のビン)をとる。
スピード勝負なので盛りあがるが、頭をフル回転させなくてはいけないのですごく疲れる。「2種類のルールのどちらが適用されるかを瞬時に判断する」+「②の場合はないものを探す」というのはかなり大変だ。
5.『クラッシュアイスゲーム』
これまたジェンガのようなバランスゲーム。ルーレットによって指定された色の氷を壊していき、ペンギンが落ちたら負け。
これはとにかくわかりやすい。小さい子でもすんなり飲みこめた。
あと1ゲーム3分ぐらいで終わるのもいい。長時間かかるゲームは小さい子の集中力がもたないんだよね。
6.『デジャブ』
神経衰弱+カルタのようなゲーム。
めくったカードに描かれているものを取るのだが、ポイントは「2回目に出てきたら取る」というルール。
「これもう出たっけ?」と考えながら取らないといけない。出ていないものを取ると失格、という厳しいルールなのでどうしても慎重になる。
さらにこのゲームを2回、3回とくりかえすと、「これ出たのって今回だっけ? 前回だっけ?」という迷いも生じる。案外初心者のほうが有利かもしれない。
はじめてやったときにみんな強気でがんがん攻めてたら次々に失格になり、ほとんど取らなかった人が優勝という漁夫の利展開になった。
ボードゲームスペースのおにいさんがお勧めしてくれたものだけあって、どれもわいわいと楽しめるゲームばかりだった(サメポリーだけは不評だったが)。
しかし、他にお客さんはいなくて我々の貸切状態。
子どもは無料とのことで、3時間弱遊んで、全部で2,400円(大人ひとりあたり1,200円)。
安いのはいいんだけど、これでやっていけるのか不安になる。
1時間で800円の売上。ここから家賃や光熱費を引いたらいくらも残らないだろう。スタッフは2人いたが、どう考えても彼らの給料は捻出できない。
仮に満員になったとしても赤字になるぐらい。他人事ながら心配になる。趣味でやっているのか? それともボードゲームスペースというのは表の姿で、深夜になると違法カジノになるのか……?
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