2019年11月1日金曜日

採点バイトをした話

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大学生のとき、受験産業大手のB社の模試採点のバイトをしたことがある

たしか友人の紹介だった。
筆記試験を受けて、採用された。

ぼくが採点することになったのは国語。
まずはじめに模範解答が配られる。そしてリーダー格のバイト(大学生)が前に出て、説明を加える。
ここはこういうところに気を付けて採点してください。
説明は短かった。一時間もなかったはず。わからなかったらすぐに訊きにきてください、そういってバイトリーダーは説明を終えた。

こんなもんか、と少し驚いた。
もっと厳密な判断基準があるのかとおもっていた。
ずいぶんいいかげんなもんなんだな。まあ模試だしな。

採点をしていると、やはり判断に迷うところが出てくる。
その都度バイトリーダーのもとへ訊きにいく。バイトリーダーが答える。バイトリーダーでもわからなければバイトリーダーが社員のもとへ質問に行く。
場合によっては全員に説明がなされる。
「こんな質問がありました。この場合はこうしてください」と。
新たに基準ができるわけだ。

ぼくはおもう。
えっ。そうなの。
それだったら、もう採点終わっちゃったやつの配点が変わるんだけど。
まあいいか。模試だし。

何度か質問をしているうちに気がついた。
ぼくの質問回数が圧倒的に多い。
採点者は数十人いるが、まったく質問しないバイトもいる。
判断に迷わないのだろうか。そんなわけないだろ。国語の記述問題だぞ。
めんどくさがっているか、何度も質問をしたら申し訳ないとおもってるんだろうな。まあ気持ちはわかるけどそれでいいのか。
質問をしない人は独自の判断基準で採点しているんだろうな。
まあいいか。模試だし。

採点は二重チェックをしていた。誰かが採点した答案を、もう一度べつの人が採点する。
へえ。けっこうちゃんとしてるんだ、とおもった。
べつの人の答案をぼくがチェックすると、あれこれちがうんじゃないのとおもうことがある。
バイトリーダーに見せに行く。ああ、たしかにちがいますね。訂正しておいてください。
ひどいときだと五点、十点と点数が変わることもあった。
これ、チェック時に気づいたからよかったけど、チェックする人間も適当な人間だったらぜんぜんちがう点数のままだったんだろうな。
まあいいか。模試だし。



ということで、模試の採点をした感想は
「けっこういいかげんに採点してるんだな」
だった。
(ただ情報漏洩にはすごく気をつかっていた。答案の内容はぜったい外に漏らすなよと厳しく言われた)

誰が採点するかで点数はけっこう変わる。
模試の結果に一喜一憂してる高校生には申し訳ないが。

……という経験があるので、大学入試の判定に民間試験を使うなんてとんでもない話だとおもうのだが、あれからB社は変わったのかなあ。

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