以前、こんな話を聞いた。
道で強盗や不審者に遭遇したとき「強盗だ!」と叫んでも誰も出てきてくれない。身の危険を感じるから。
だから「火事だ!」と叫ぶとよい。火事なら、家にいると危険なのでみんな出てきてくれるから。
と。
それを聞いたときはなるほどいい方法だと感心したのだが、改めて考えるとそれってほんとにいい方法なんだろうか。
「火事だ!」という声を聞いた母親が、あわてて3歳の娘と0歳の息子を連れて外に飛びだしてくる。
だがそこには刃物を持った強盗。あわれ罪のない親子は、動転した強盗の凶刃に倒れ……。
という可能性もある。
その場合、もちろんいちばん悪いのは刺した強盗だが、「火事だ!」と嘘をついて無関係な市民を巻き添えにした人間は「いやぼくも被害者なんで」で済まされるだろうか。
刑法には「緊急避難(第37条)」という条項があり、
とある。
この考えでいくと、"避けようとした害"は「強盗に金品を奪われる」であり、"生じた害"は「母子が刺される」なので明らかに後者のほうが程度が大きい。
なので罰の対象にはなるがある程度は軽減される、ということになる(だよね? 法律の専門家じゃないので責任は負いません)。
まあ軽減されるとはいえやっぱり罪にはなるみたいなので、やっぱり嘘はよくないよね。
自分の嘘のせいで罪のない人が殺されたら寝覚めが悪いし。
だから強盗に遭遇したときは
「火事だ!」じゃなくて
「痴女が出た!」と叫んで、下心丸出しで外に飛びでてきた男の人に助けてもらうのがいいんじゃないでしょうかね。
それなら万が一その人が刺されてもそれほど心が痛まないし。
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