2019年1月15日火曜日
大人の女が口笛を吹く理由
あたしが口笛を吹いていると「よく吹けるね」と言われる。
褒められているわけではないことぐらいはわかる。半分ばかにされていて、もう半分は小ばかにされているのだ。つまり七十五パーセントばかにされていることになる。
ばかにされる理由はふたつ。
ひとつは、大人の女なのに口笛を吹くこと。
ふつう、大人の女は口笛を吹かないらしい。口笛は子どものもの。あるいは男のもの。誰が決めたわけでもないけどそういうことになっているらしい。
口笛を吹くシチュエーションといえば、「いい女とすれちがったときにピュウ~と吹く」とか「アメフトの試合でいいプレーをした選手をたたえる」とか「アルプススタンドで沖縄代表を応援する」とかで、たしかにどれも男くさい。アルプススタンドのやつは口笛じゃなくて指笛だったような気もするけど、まあおなじようなもんだ。
もうひとつは、あたしの口笛がへたなこと。
まだうまかったらいいんだろうけどね。
でもあたしの口笛って音程もとれないし、ふひゅう、ひゅうすうと空気の漏れるような音がする。へたなことは自分でもわかっている。でも嫌いじゃない。
どっちの理由についても、あたしの反論はおなじだ。
「うるせえよ」
仕事として給料をもらって口笛を吹いているんなら、あたしだって上司や顧客の言うことに従う。
「きみぃ、もうちょっといい口笛を吹けんもんかね」
って言われたら、なんとか要望に沿えるような吹き方を工夫する。
でもあたしの口笛はあたしのためのものだ。
自分のための、自分による、自分の口笛。
だから大人っぽくなかろうが、女っぽくなかろうが、へただろうが、吹きたいときに吹く。
それでもごちゃごちゃ言ってくるやつにはこう言ってやる。
ふひゅう。
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