2019年9月9日月曜日

外国語スキルの価値

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親戚の子(小学六年生)が、英語の塾に行きだしたそうだ。なんでも自分から英語を学びたいと言いだしたそうだ。

「へー。えらいな」というと、
「将来外国に住んでみたいから」という。

感心だ、とおもう。
ぼくの子どもの頃よりいろんなことを考えているんだろう。

ただ水を差すようで悪いけど、と前置きしてから

「外国に住むというのはいい選択だとおもう。これから先、日本が若い人に暮らしやすい国になっていくことはまずないだろうから。他の国は他の国でそれぞれ暮らしにくさがあるだろうけど、選択肢を多く持っておくに越したことはない。選べるということは大きなアドバンテージになるからね。

 外国に旅行したいから英語を勉強する、というのであれば何の異論もない。けれど外国に住みたいから英語を勉強する、というのは努力の方向が少しずれているようにおもう。
 外国で仕事をしようとおもったら、むしろ英語以外を勉強しなくちゃならない。アメリカに英語が達者な人は掃いて捨てるほどいるが、数学が達者な人はそう多くない。希少なスキルのほうが高く売れるのだから。もちろんそのスキルが求められていることが前提だけど。
 日本で働いている外国人のことをみるといい。大きな会社とかだと、たくさんの外国人が働いている。彼らは決して安くない給料をもらっている。ただ、彼らの中には日本語をまったく話せない人もおおぜいいる。彼らは日本語を話せないけど他のスキルを持っているから高い給料をもらっているんだ。
 逆に、日本語が話せるだけの外国人が日本でどんな仕事に就けるか考えてみよう。かんたんなアルバイトで最低賃金に近い時給をもらえればラッキー、というとこだろう。
 通訳ができるぐらい外国語に長けていますとかの域に達していれば話はべつだけど、そこまでいくのは至難の業だ。はっきりいって小学六年生で英語の塾に通いだすのでは遅すぎる。幼少期に海外で数年暮らしてた、ぐらいでも厳しいだろう。

 それに、これから先、機械翻訳の性能はどんどん向上していく。おそらく君が大人になる頃には日常会話レベルだと機械翻訳でまったく困らないぐらいになっている。ということは、英会話ができることの価値は今後下がっていく一方だ。『そろばんを使うのがうまい』とか『字がきれい』とかと同じような能力になるだろうね。ないよりはあったほうがいいけど、それでお金を稼ぐのは相当むずかしいスキルになる、ということだ。

 英語を学ぶことが無駄だとは言わない。英語学習によって身につくのは英語能力だけではないからね。
 ただ、英語を話せることは海外に移住する上ではあまり重要でないことは知っておいたほうがいい。英語以上に他の勉強をするほうがずっと近道になるとおもうよ」


……と言いたかったんだけど、そんなこと言ってもほとんど伝わらないどころか疎まれるだけだろうなとおもったので何も言いませんでした。おしまい。


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