冷たいものを飲むと奥歯が痛む。虫歯だ。
こわいものみたさというか、いたいもの味わいたさで、何度もやってしまう。べつに飲みたくもないのに奥歯のずきずきを味わうために冷たいお茶を飲んでしまう。
奥歯の痛みをじっくり観察してみる。
ふつうに飲んだら痛くない。奥歯のある位置に冷たいお茶を流すと痛む。ということは、口に含んだ液体は口いっぱいに広がるわけではなく、口の奥のほうには届いていないことがわかる。
また、冷たいお茶を口の中央部に溜めておいて、少しぬるくしてから奥へと流すと痛くない。
冷たいのは痛い、ぬるいのは平気、だったら熱いのはどうだろうとわざわざ熱いお茶を沸かして飲んでみた。うーん、ちょっとだけ痛い。でも冷たいお茶にくらべたらぜんぜん。
以上のことから、虫歯が痛むのは
冷たいお茶 > 熱いお茶 > ぬるいお茶 = 何も飲まない状態
だということがわかりました。
自由研究はそのへんにして、歯医者に行く。
いつも行っている歯医者で予約がとれなかったので、自宅近くのH歯科に行ってみることにする。Googleマップで口コミを見ると高評価だ。「説明が丁寧」というコメントが多い。
行ってみると、なるほど、しっかり説明してくれる。
あなたの歯はこういう状態です、放っておくとこうなります、ですからこれから治療をしていきます、治療には5回ほど通院が必要です、最初は○○をして次の週は○○を……と事細かに説明してくれる。
これはいい。改めて考えると、歯医者と接骨院や整体院ってぜんぜん説明してくれない上に、やたらと長期にわたって通わせようとしてくるんだよね。たとえばちょっとした風邪で内科に行った場合は1回で済むのに、歯医者や整骨院は何回も通わされる。しかるべき理由があるのかもしれないけど、患者に説明してくれないのでどうも「何度も通って金を落とす金づる」扱いされてるんじゃないかという気になってしまう。
ちゃんと説明してくれるなんていい歯医者だなとおもったのだが、ふと見ると診察室の壁に「Google口コミを投稿してくれたら500円相当のメンテナンスグッズをプレゼント!」と貼り紙がある。
なんだかだまされた気分だ。
じっさいいい印象を持っていたのに、プレゼントで釣って口コミを書かせる歯医者だとわかったとたんにその印象が弱まってしまった。ぼくが「説明が丁寧でいい歯医者だ」とおもった印象までもが、まるで誰かに操作されていたかのような気になってしまう。
それはそうと、それから毎週H歯科に通った。
歯を削ったり、薬を詰めたり、仮の蓋をつけたり、翌週にはまたそれを外したり、かぶせものの型をとったり……。
で、行くたびに請求される料金がちがう。やることがちがうからなんだろうけど、1,500円ぐらいの日もあれば、6,000円請求されたこともある。6,000円っていうのはちょっと油断ならぬ額だぞ。タイミングが悪ければ財布にないことだってある。クレジットカードも使えないし。先に言っといてほしいな。
で、先週には「次回がいよいよ最後になります。お会計10,000円ぐらいになりますので準備しておいてください」と前もって言われた。前もって言ってくれるのはありがたいが、それだったら全5回の4回目に予告するんじゃなくて、1回目のときに言ったほうが良くないか? だってトータルで20,000円以上かかるんだぜ。人によっては「だったら治療やめます」ってこともありうる額だ。
それを、歯を削って、仮の蓋をして、かぶせものの型をとって、もう後戻りできない状態になってから「ラストは10,000円!」っていうのはずるくないか? まるでディアゴスティーニじゃないか。
さらに、次が全5回の治療のいよいよ最後ってときになって、今度は反対側の奥歯が痛みだした。冷たいお茶が染みる。
さては……。
患者が治療を終えて離れてゆかないように、歯科医が反対側の奥歯に虫歯菌をしこんだのでは……!?
やはり「何度も通って金を落とす金づる」扱いされてるんじゃないかというおもいが拭えない。
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