携帯電話ができたので、それまで単に「電話」と呼ばれていたものが「固定電話」と呼ばれるようになった。
それはわかる。
じゃあ「生爪」の「生」ってなんなんだろう。
今は付け爪とかあるけど、たぶん付け爪ができる前から「生爪」という言葉はあったはず。
なんでわざわざ「生」をつけたんだろう。
生じゃない爪って、茹でガニの爪ぐらいしかおもいつかない。そんなのは例外なんだから、そっちを「茹で爪」と呼べば済む話だ。わざわざ我々の手足についているほうを「生爪」と呼ぶ必要はない。
だいたい、「生爪」と「茹で爪」を区別しなくちゃいけない状況なんかある?
電話はわかるよ。
「今晩、電話するね」
「え? どっち? 家の電話? それともこの持ち運びできるほう?」
ってなるから、「固定電話」「携帯電話」という区別ができた。
寿司もわかる。
「なんだよ、寿司をごちそうしてくれるって言うから目の前で職人が握ってくれるやつだとおもったのに皿が周回するタイプのほうかよ!」
ってなるから、「回転寿司」「回らない寿司」という呼び方ができた。
爪はどうだろう。
「なんだよ、爪を食べたっていうから人間の爪かとおもったらカニの爪かよ!」とはならない。
「爪がはがれて痛そうっていうから心配したのにおまえの爪じゃなくて茹でたカニの爪かい!」ともならない。
わざわざ「生爪」「茹で爪」なんて言わなくても、前後の文脈でどっちかわかる。
どういう経緯でわざわざ「生爪」という言葉ができたんだろう。
「生脚(ストッキングなどを履いていない脚)」は新しい言葉なのに、「生爪」は古い。なぜだ。
他に、身体の部位で「生」がつくものはあるだろうか。
「生脳」とかだいぶ気持ち悪い。
「生眼」「生足」「生手」は、「裸眼」「裸足」「素手」だな。これらは衣類で覆うことがあるからわかる。
「生肉」「生レバー」は……。これは人体には使わないな。
「生乳」は……。加熱処理していない乳のことです。誰だ、エロいことを考えたのは!
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