2020年1月30日木曜日

ロンパース紳士

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君はロンパースを知っているか。

ロンパース。あかちゃんの正装。
シャツとパンツが一体になった肌着。

シャツとパンツがくっついていたらいったいどこから着るのか。
心配ご無用。股のところがあいているので頭からかぶせ、最後に股の下についたホックをポチンポチンと止めれば完成。

これを着せると、ザ・あかちゃんになる。どこからどう見てもあかちゃん。これでもううっかりあかちゃんを大人とまちがえて「つかぬことをお尋ねしますが……」と話しかけてしまうことはない。
ザ・あかちゃん

うちの子がずっと寝ているだけの新生児だったとき。
ロンパースは便利だった。
ははあなるほど。
おむつを替えるたびにいちいちズボンを脱がせたり履かせたり必要がないので便利だな。すきまがないから腹も冷えないしな。
すなおに感心した。

だが一歳二ヶ月の今。
彼女は立ってすたすた歩いている。後ろ向きに歩くこともある。ジャンプらしき動きもする(本人の中ではジャンプなのだろうが傍からはスクワットにしか見えない)。
さすがに肌着でうろうろするのもまずかろうと、ロンパースの上からセーターやズボンを着せて歩かせている。

しかしどれだけ歩こうが走ろうが四回転半ジャンプを決めようが、しょせんは赤子。
自分のケツも自分で拭けない。文字通りの意味で。
おむつを替えてやるのだが、そのたびに不便を感じる。
おむつを替えるためには

1.まずズボンを脱がせ
2.ロンパースのホックをはずし
3.ロンパースのすそにウンコがつかぬようすそをまくりあげてうなじのところに挟み
4.ウンコおむつを脱がせ
5.ケツを拭き
6.新しいおむつを履かせ
7.ロンパースのホックを留め
8.ズボンを履かせる

じつに八つのステップを必要とする(5の後に「自分の手に付いたウンコを拭く」というステップが加わることもある)。
だがロンパースがなければ、2と3と7の手順は省略できる。

面倒だ。
ロンパースなしじゃだめなのか。ふつうの肌着じゃだめなのだろうか。

妻に言ってみた。
「もうロンパースいらんのちゃうん?」と。
我ながら建設的ないい提案だ。

すると妻は言う。
「ふだんはいいんだけどね。でもウンチやおしっこをするとおむつが重くなって、おむつの重みでズボンが脱げちゃうのよ。おなかがぽっこりしてるからベルトをさせるわけにもいかないし。だからロンパースがいるのよ」

くっ……。
まただ。いつも妻は、理路整然と正論を語ってぼくの出鼻をくじく。理にかないすぎてぐうの音も出ない。


ロンパースに「おむつずり落ち抑止機能」があることはわかった。
だが。
うちの一歳児は食べることが大好き。歯が四本しかないくせに大人顔負けの量を食べる。口にバナナをほおばり、右手にバナナを持ち、左手でバナナをつかむ。
当然ながら身体はでかい。常に成長曲線の上限いっぱいをキープし、同世代に圧倒的な差をつけている。
おなかがぱんぱんなので、ロンパースのホックはしょっちゅうはずれる。はずれるというよりはじけるといったほうがいいかもしれない。
だっこをすればパチン。座ればパチン。しゃがめばパチン。
千代の富士の肩関節と同じくらいよくはずれる。

で、ロンパースのすそがズボンの外に出て燕尾服みたいになっている。びろーん。

もちろんおむつずり落ち防止機能は正常に動作していない。おむつずりーん。
うむ、ロンパースいらんな。
おむつずり落ち防止機能どころか「大人とまちがえられるの防止機能」も機能してないもんな。燕尾服の紳士とまちがえて「つかぬことをおたずねしますが、ここいらでおなかぱんぱんのあかちゃんを見かけませんでしたか」と話しかけてしまうもんな、これじゃ。


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