Newton別冊『統計と確率 ケーススタディ30』
統計の本は何冊か読んだけど、入門書としてはこの本が優れているように思う。
正規分布や標準偏差といった基本中の基本から、疑似相関や標本誤差といった陥りがちな失敗例まで取り上げている。
株価の変動、新薬の開発、スポーツの八百長調査、生命保険の掛け金の決め方、世論調査、ギャンブルで理論的に儲ける方法、迷惑メールの振り分け方、DNA鑑定が間違う確率など、社会のあらゆる分野で統計と確率は根幹を支えている。
この本では、ケーススタディというだけあって、それらをひとつひとつ、事例と図と数式で懇切丁寧に説明している。
統計を専門的に学ぼうという人よりも、むしろ数学も統計も苦手という人に読んでもらいたい。
なにしろ、さっきも書いたようにこの社会のありとあらゆるところで統計と確率は使われている。
ということは裏を返せば、統計と確率を知らなければ、さまざまな局面で不利益を被るということなのだから。
この本の中で紹介されている「疑似相関」について紹介。
上の文章は、すべて間違ってはいないが、誤解を招く内容になっている。どこが問題か、わかるだろうか?
これらはすべて疑似相関で、因果関係があるように見えるのは以下の理由によるものだ。
1)年収が高いのは体重のためではなく、男性は年齢を重ねると体重が増える傾向にあり、年齢が高いほど年収も増えるので、因果関係があるように見える。
2)男性には人差し指が短い人が多く、男性には理系が多い。
3)図書館が作られるのは人口が多い街で、人口が多い街ほど犯罪の検挙数も多い。
わからなかった方は、統計にだまされないようにご注意を。
テレビで伝えられている統計なんか、こんなのばっかりですよ。
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