どうかみなさん、混雑している電車内で奥へとお詰めできない人間を差別しないでください。
混雑している電車内で奥へとお詰めできない人間は、混雑している電車内で奥へとお詰めしたくなくて混雑している電車内で奥へとお詰めしないわけではないのです。彼らにはその能力がないのです。ふつうの人なら難なくできる、混雑している電車内で奥へとお詰めするという行動が、彼らにとっては至難の業なのです。
彼らには生まれもったハンデがあるだけなのです。ですから、混雑している電車内で奥へとお詰めできないことを理由に、彼らを糾弾しないであげてください。
混雑している電車内で扉付近に立ったまま、頑として動こうとしない人。
扉のまわりが混雑していて奥がすいているのに、一歩たりとも動こうとしない人。
自分が一歩移動すれば他の人たちが奥に詰めることができて車内全体の混雑が緩和されるのに、その一歩を踏みださない人。
そのくせ、大勢の人が降りる駅についてもやはり扉付近に立ち止まったまま乗降の妨げになっている人。
たしかに多くの人に迷惑をかけています。けれどそれは彼らのせいではありません。社会全体の問題なのです。
私たちは、ひとりひとり違います。まったく同じ人間なんてどこにもいません。
スポーツが苦手な人、上手にしゃべれない人、うまく歌えない人、眼が見えない人、手足が不自由な人、混雑している電車内で奥へとお詰めできない人。
ひとりひとり違いはあります。すべてにおいて完璧な人などいません。でも、だからこそこの世界はおもしろいのです。
お互い差異を認めて、許し、助け合って生きていこうではありませんか。
そして。
混雑している電車内で奥へとお詰めできない人間だけでなく、人通りが多い場所で立ち止まらずにはいられない人間や、傘を振り回さずに歩くことのできない気の毒な人間や、狭い道で横に広がって歩かずにはいられない人間にもどうか我々と同じ人権を!
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