中学校でも嫌われている先生はいたが、高校になるとそれがちょっと変わった。
嫌うんじゃなくてこばかにするようになった。
言ってみれば、中学時代の嫌われている先生は陰で「ヤマシタのやつ、むかつくよなー」って言われる感じだったのが、高校でこばかにされる先生は「ヒデコちゃんがまたとんちんかんなこと言ってたよ。かわいそうに」みたいな扱いだった。
中学では、嫌われながらも一応目上の存在だったのが、高校では明らかに格下になっていた。
こばかにするようになって、「あの先生むかつく」という感覚はあまりなくなった。なぜなら格下だから。
ナメクジがいるじゃん。ナメクジが好きな人はあんまりいないとおもうんだよね。でもナメクジにむかつくことってまずないでしょ。なぜなら圧倒的に格下だから。ゴキブリみたいに素早く動いたりもしないし、蚊みたいに刺してきたりもしないし。人間様が負ける要素がひとつもない。だから、嫌だなとはおもうけど、おびえたり憎んだりはしない。高校においてこばかにされる教師はそんな存在だった。ナメクジに例えるのはさすがに失礼だけど。
また、中学校では「怖い先生」が嫌われることが多かったけど、高校に入ると嫌われるタイプが変わった。
そこそこの進学校だったこともあってか「頭のいい先生」「教えかたがうまい先生」が生徒から敬意を持たれていて、そうでない先生がこばかにされてた。
体育教師なんかはその典型だった。もちろん敬意を持たれている体育教師もいたが、それは「生徒に対して対等に近い立場で関わろうとする教師」で、軍隊の上官のような態度で接してくる教師は例外なくこばかにされていた。
高校生ともなれば、肉体的な強さでは大人に負けていない。教師が過度な体罰をできないこともわかっているので、大声を出すタイプの教師はそんなに怖くない。むしろ「理性をコントロールできないあわれなやつ」としてこばかにされる。
こばかにしていることが伝わるのだろう、体育教師のほうはなんとかして優位に立とうと理不尽に怒る。理不尽に怒ることで「理性的に会話ができないあわれな大人」としてますますこばかにされる。
「こいつは自分より数段頭が悪いくせにいばってるな」ということがわかってしまい、こばかにするようになるのだ。
そう、ちょうどレベルの低いポケモントレーナーの言うことをポケモンが聞かないのとおんなじで。
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