シークレットNGハウス
シーズン2
大まかなルールは前作と同じ。
8人のプレイヤーが集められる。「○○してはいけない」「××と言ってはいけない」といったNGルールが課せられるが、プレイヤーはそれが何なのかは知らされない。
NGが多かったプレイヤーから徐々に脱落していく。NGが発生したときに鳴るブザーを頼りにNGを回避し、同時に他プレイヤーをNG行動へ誘導する。最後まで残ったプレイヤーが見事賞金を獲得する……というルール。
シーズン1よりルールは洗練されていたものの、パワーダウンした印象。特に終盤がひどかった。
やっぱりルールの細かいところが甘いのと、MC陣の出番が減ったことが最大の敗因だろうね。
良かった点
まずシーズン1に続きメンバーのバランスが良かった。妙に察しのいい人、逆にひとりだけNGに気づかない人、天真爛漫な人、テンパってわけのわからないことを口走る人、攻めるのが下手すぎて他のメンバーにヒントを与えてしまう人……。タイプの異なる人たちがバランスよく配置されていて、様々なドラマを生んでいた。賢い人ばかりでは息苦しいし、バカばっかりでもつまらないしね。
あと「最初のステージでは誰も脱落しない(与えられたNGは第2ステージへとくりこし)」としたのもいい。前回はなにがなんだかわからない状態でほとんど見せ場のないまま脱落しちゃった人がいたからね。
お題が良くない
シーズン1では、序盤は「とにかくしゃべらない」が最善の策だった。
なので、だんまり対策だろう、シーズン2では、クイズ番組、ゲームセンター、記者会見といった舞台を用意して、しゃべらざるをえない状況にしていた。
それは良かったのだが、今作はお題が良くなかった。舞台にあっていない。たとえばゲームセンターでは「店員に文句を言う」がNGだったが、だったらあの店員じゃだめでしょ。ウザキャラだったり横暴だったり抜けてたりして、文句を言いたくなる人じゃないと。そもそも「ツッコミを入れる」ってバラエティでは場を盛り上げる行為だからね。それをNGにしたら、盛り上げてくれる人から先にいなくなっちゃうじゃん。
案の定、番組を盛り上げることに貢献してくれた人から退場してしまい、後半は楽しい雰囲気が減ってしまった。
シーズン1ではMCが状況を見てNGを決めていたけど、ぜったいにそっちのほうがいい(NG判定するスタッフは大変だろうけど)。
「カタカナ語禁止」も無茶苦茶だった。擬態語もNGにされてたし。うちの子の小学校の国語の教科書には「音をあらわす言葉(擬音語)は通常カタカナ、様子や心理を表す言葉(擬態語)は通常ひらがなで表記します」って書いてあったよ。
「わくわく」がカタカナ語とされてNGになったのは納得いかない。「湧く」に由来する生粋の日本語でしょ。その一方で「タラバガニ」はセーフってどういうことよ。スタッフ全員「たらばがに」って聞いて「鱈場蟹」を思い浮かべるのかよ。
「外来語(通常漢字表記しないもの)禁止」ぐらいにしとけばよかったのに。
「MCに対する敬語禁止」もひどかったなあ。「よろしくお願いします」がNGにされてたけど、あれはその場にいるすべての人への挨拶だしなあ。
だいたいふだんから若林さんに敬語を使わない人(春日さん)に有利すぎるし。
記者会見は、先に質問に答える人が圧倒的に不利になってしまう(後の人はそれを観ながらNGを推測できるので)。
それ自体がダメなわけではなく、「現在のNG数が少ない人から順に指名する」とすればゲームバランスをとる有効な手段になったのに、「NG数が多い人が狙い撃ちにされる」というやりかたをしていた。逆だろー。
新ルールが機能していない
シーズン1の感想でぼくは「一切の会話を拒否して、ときどき意味不明な奇声を発する」が最強の戦略になってしまう、と書いた。
そうした行動への対策だろう、シーズン2ではイエローカードおよびレッドカードという新ルールが追加された(結局イエローカードは一度も発動しなかったが)。消極的な言動に対してはMC判断でペナルティが追加される、というルールだ。
おお、ちゃんと改善してるじゃないか! とおもったのだが……。
これがひどかった。
レッドカードが激甘。レッドカードというからには退場かそれに近い処分を期待したのに、レッドカード=NG1つ加算、ってなんじゃそりゃ。一人がダンマリを決めこんでいる間に他のプレイヤーのNGが5個も6個も加算されてるのに、黙っていることの罰則がNG1個ってそれペナルティになってないじゃん。だったらレッドカードもらったほうがいい。最低でも「その時点でのNG最多数に並ぶ」ぐらいの罰じゃなきゃ意味がない。
ファイナルステージがつまんなかった
ファイナルステージだけルールが異なり、「3名のプレイヤーはそれぞれ1つずつ(場合によっては2つ)NGを知っている。他のプレイヤーにそのNGを踏ませることができれば+1ポイント。自分自身がNGを踏んだときや、(導かれたのではなく)偶然NGを踏んだときはノーカウント」だった。また、NGは数分ごとに入れ替わる。
これが良くなかった。
推理の楽しみがまったくない。どうせ数分でNGが失効するんだから、自分だけが知っているNGがバレてもいいから強引に他のプレイヤーをNGに導けばいい。
実際、終盤はどのプレイヤーもかなり強引な手段でポイントを稼いでいた。「追いかける」というNGカードを引いた人が、「ちょっとこっちへ」と他プレイヤーを歩かせて1ポイント、とか。それは「追いかける」じゃなくて「ついていく」または「連れだって歩く」だろう。判定がむちゃくちゃ。
「NG行為をしたとしても誘導されて発動したものでなければノーカウント」というルールも悪い方に出ていた。だってそれだと「他人の言動にリアクションをとらずにひたすらしゃべりつづける」をやれば無敵じゃん。他人のNGワードを言ってしまったとしても、自分が勝手に言っただけだからノーカウントなんだし。消極的じゃないからレッドカードも食らわないし。コミュニケーションをとらない人が有利になるルール。
ラストは推理も心理戦もへったくれもなく「たまたまNGを踏んでしまったプレイヤーが負ける」という運ゲーになってしまった。
シリーズ通していちばんつまらなかったのが今作のファイナルステージ。MCが仕切っていればもうちょっとマシだったんだろうけど。
総括
シーズン1に比べればルールの改善の跡は見られた。でも跡が見えただけで改善はしていなかった。
シーズン1は今作以上にルールに欠陥が多かったけどおもしろかった。それは幸運に助けられた部分もあるし、なにより出演者たちの「よくわからないゲームだからおもしろくなるかどうかは自分たちのがんばり次第。みんなで協力して盛り上げよう」という意思があったようにおもう。
シーズン2では、明らかに番組の盛り上がりよりも自分の勝利を優先している人がいて、しかもその人が勝ち進んでしまったから後半に行くほどつまらなくなってしまった(その人が悪いのではなくそれを許してしまうルールが悪いんだけど)。
つまんない人を残したらちゃんとつまんなくなる、ということがわかったことがシーズン2の最大の収穫かもね。次回作では改善してくれー。

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