更科 功
DNA分析を使って古生物の生態について調べる分子古生物学者の取り組みを紹介した本。
新書ではあるものの、専門用語もばんばん出てくるので、素人にとって決して読みやすい本ではない。たぶんこれでも平易に書いてくれてはいるんだろうけど……。
大昔の生物のことを調べるなら化石を調べるしかないだろう、とおもっていたけど、それは素人の考え。原生生物のDNAを調べることでもう絶滅した生物の遺伝子を突き止める。そんなことができるんだー(どうやってやるかは、正直読んでもよくわからんかった)。
新書にしてはずいぶん読みにくい本だとおもっていたら、あとがきを読んで著者の意図がわかった。
科学の本というより科学史の本だったんだよね。○○と考えた人がいたけどこの考えは間違いだった、かつては××と思われていたけどその後の研究で誤りだったことがわかった……という「失敗史」に多くのページが割かれている。
こういう「100回やって99回失敗」こそが研究者のリアルであり、それに耐えられる人しか成功しないんだろう。だから初学者に向けて「かんたんに世間をあっと言わせる研究結果が出るとおもうなよ」という戒めを込めてこの本を書いたんだろうけど……。
正直、ぼくのように研究の道に進みたいわけではなく、「ただおもしろい研究結果だけ知りたい」という人にとってはあんまりおもしろい本じゃなかったな。
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