2016年6月22日水曜日

【エッセイ】あまちゃん帝王学

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知人の六十代男性から聞いた話。

彼が高校生のとき、修学旅行で東北に行った。
そこに海女さんがいた。『あまちゃん』の舞台の地である。

そこでは、修学旅行生たちが海に向けて野球ボールを投げ、海女さんが泳いでとってくるというショー(?)がおこなわれていたのだそうだ。


えええっ。

なんというサービスだ。じぇじぇじぇ。

要は、犬の訓練でやる「とってこい」である。

「あれが修学旅行でいちばん印象に残っている思い出だなあ」と六十代男性は平然と語っていたが、そりゃ印象に残るだろう。

学生がおもしろ半分に投げたボールを追いかけて、中年の海女さんが冷たい海に飛び込む。
じつにものがなしく、そして奇妙に官能的な光景だ。

そうゆうのはオットセイとか長良川の鵜とかにやらせることだろう。



今だったら絶対に許されない。
いや、四十数年前でも道徳的にどうなんだ。
そういうショーがあることもさることながら、それを修学旅行でやらせる学校もすごい。
ときに他人に厳しく接することも大切だという教育なのか。


団塊の世代はお店の従業員に対して横柄な態度をとる人が多いが、それはこうした帝王学(?)の成果なのかもしれない。



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