オリンピックを見るたびにあたしは思う。
なんでおすもうがオリンピック競技じゃないのよって。
声を大にして言いたい。
いや、もう大にして言ってる。
さっき隣人から「うるせえぞ!」と苦情が飛び込んできたところだ。
柔道はうまいことやってる。
世界競技になっちゃって。
なのにおすもうはいまだオリンピック競技になっていない。
アジア大会すら開かれていない。
北青森ちびっこ相撲大会しか開かれていない。
あたしはおすもうが大好きだ。
あたしだけじゃない。
世界中誰もがおすもうを好きだと思う。
古今東西問わずだ。
古代エジプトのクフ王だって、中世ヨーロッパの奴隷だって、23XX年の未来都市TOKIOに生きるアンドロイドだって、きっとおすもうを見たら手に汗を握るはずだ。横綱が負けたら思わず座布団を投げてしまうはずだ。
おすもうは日本だけのものだと思っている人は多いみたいだけど、それはまちがい。
細かいルールはちがうけど、モンゴルにだって韓国にだっておすもうはある。
よく知らないけど、ヨーロッパにだってアフリカにだって北極にだってあると思う。
[お互いがぶつかって相手を陣地から追い出す]
どんな文化にだって、こんなシンプルな競技が誕生しないはずがない。
自然発生的に誕生するにきまってる。
飛行機に乗ると、隣の人とひじかけの所有権を争って抗争(ひじの押し合い)がくりひろげられたりする。
そう、あれだっておすもうの一種だ。
専務と常務の仲が悪くて、策略をめぐらして相手を会社から追放しようとしたりする。
そう、これもおすもうの一種だ。
フリーキックのとき、フォワードと相手ディフェンスがいい場所をとりあって体をぶつけたりする。
そう、いうまでもなく、これはサッカーだ。
[地面に手をついたら負け]
これもおすもうのルールだけど、これだって世界共通のルールだ。
裁判でも戦争でも、地面に手をついて謝るのは敗者のほうだ。
改めて説明するまでもない。
水泳、レスリング、野球、ラグビー。どんな競技でもいい。決着のついた直後の選手を見てごらんなさい。
勝った方は天に拳を突き上げて喜んでいる。
負けた方は地に手をついて悔しがっている。
二足歩行をはじめたときから人類が共通して持っているルールだ。
こんなわかりやすいルールのおすもうが、世界に受け入れられないはずがない。
なのにどうして国際種目になれないのよ。
こう云うと、わけ知り顔でこんなことを云うやつがいる。
「おすもうが世界競技にならないのはね。あのまわしスタイルが理由なんだよ。
おすもうさんは尻を出してるだろう?
あのまわし姿が、他の国の人にはハレンチととられるんだ」
そんなやつには声を大にして反論したい。
いや、もう大にしてる。さっき隣のやつに「何度注意したら静かにするんだ」と云われたところだ。
だからもう静かにするけど、これもまたどっちが陣地(アパート)から追い出されるかを競ってるわけだから、おすもうだと思わない?
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