外人はつらいよ
ドン・マローニ(著) 脇山 怜(訳)
仕事で日本に住むことになったアメリカ人が語る、日本文化論。
この手の「外国人が見た日本」本は大好きでたいていおもしろい。なので古本屋で見つけて買ってみたのだが、これはちょっとはずれだった。
理由のひとつは、あまりに古いこと。著者が日本にやってきたのが1970年。本の刊行が1975年。50年以上前。「日本人は往来で立小便をする」なんて書いてあるけど、さすがに今はそんな人はほぼ見ない。日米の文化比較というより、新旧の文化比較になってしまっている。これは50年もたってから手に取ったぼくのせいなんだけど……。
もうひとつは、著者が日本どころかアメリカ以外の国を知らないこと。日本に来て困ったことに「英語が通じないこと」とか書いている。そりゃそうだろ。日本人からすると外国に行ったら母国語が通じないのは当然なのに、アメリカ人にとってはそうでないらしい。これだから英語圏の人間は……。
文章がユーモアに満ちていて、そこはおもしろかったけどね。
「日本にかぎらずアメリカ以外はどこもそうだろって話」「著者の身の周りの人たちの話」が多く、日本論として読める箇所はそう多くない。
選挙カーや街宣車は言うまでもなく、駅や電車・バスのアナウンスなど、日本は音声案内が多いと言われる。たしかにそうだよね。外国の交通機関では停車直前に「Next stop is ○○」と流すぐらい。日本だと音声案内が多すぎて、逆にどれが大事な情報かわかりづらい。
著者は「英語でもアナウンスしているが日本版に比べてすごく短い。我々にだけ大事な情報が伝えられていないのではないかと不安になる」と書いている。その気持ちはわかる。でも大丈夫、カットされているのは「××の治療ならおまかせ、○○クリニックをご利用の方は次が便利です」といったどうでもいい情報だから。日本人だって聞いてないから。
日本の生活に慣れた(といっても5年ぐらい)著者がひさしぶりにアメリカに帰ったときの話。
へえ。アメリカ人ってそんなにあいづちを打たないんだ。言われてみればそうかも。今度洋画を観るときはあいづちに注目してみよう。
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