2019年8月27日火曜日
スマホを持って三十年前にタイムスリップした人
あーこんなもんじゃないんだよ。ほんとに。
そんなもんで驚かれちゃこまるっていうか。
いや驚いてくれるのはうれしいんだけど。
でもほんとはこんなもんじゃないんだよ。
うん。この時代の人たちからしたら、こんなに小さな機械が時計とカメラとビデオカメラと電卓とボイスレコーダーとスケジュール帳と懐中電灯になるのはすごいよね。驚きだよね。
ほんとはね。
もっとすごいの、これ。
世界中のいろんな情報が一瞬で調べられるの。ニュース記事も読めるし、テレビも見られるし、百科事典も見られるし、漫画も読めるし、何万種類ものゲームができるし、こちらから情報を世界に向けて発信することもできるの。
本来ならね。今は無理だけど。
この時代に通信環境ないもんなあ。
携帯キャリアもないし、Wi-Fiも飛んでるわけないし。
通信できないからアプリも入れられないしな。そもそもアプリストアがないもんな。
電卓とかカメラとかはこの機械の本質じゃないの。
スマホ見て「電卓とカメラになるんだ。すげー」っていうのは、ドラえもん見て「動いたりしゃべったりするロボットだ。すげー」っていうようなものなの。それもすごいけど、いちばんすごいのはそこじゃないの。四次元ポケットのとこなの。
ドラえもんでいうところの四次元ポケットが、インターネットでありアプリなんだけど、この時代だとそれが使えないんだよなあ。ほんと残念。
あっ、ちょっと無駄に使わないで。
電卓なんかこの時代にもあるでしょ。
電卓機能で電池消耗させないで。電池なくなったら終わりなんだから。
電池あるよ、じゃないんだよ。
単三電池とかでしょ。この時代の電池って。
ちがう? えっ、ボタン電池かい!
ボタン電池なんてひさしぶりに見たわ。こんなの三十年後の未来じゃ誰も使ってないよ。だせー。
必要なのはバッテリーなの。いや車のバッテリーじゃなくて。いやピッチャーとキャッチャーでもなくて。それはわかるでしょ。
あー、充電器あればなー。
せめてちゃんと充電してたらなー。なんで残り5%のタイミングでタイムスリップしちゃうかなー。
え?
ああ、そうだね。そうだけど。
使ってるとちょっとあったかいからカイロとしても使えるけど。
それ、ドラえもんに「ちょっとトイレ行ってくるから荷物見といて」ってお願いするぐらいのどうでもいい使い方だからね!
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