2015年4月19日日曜日

生きているんですよ

このエントリーをはてなブックマークに追加
1歳の娘をだっこして電車に乗っていたときのこと。
娘が泣きだした。
声をかけたり、揺らしたり、ヘンな顔をしたりするのだが、いっこうに泣きやまない。泣き声は大きくなるばかり。
周りも迷惑だろうと思うが、どうすることもできない。
肩身の狭い思いをしていると、隣のおっちゃんに声をかけられた。

それが「うるさいから静かにさせろよ」とかだったら、こっちとしても謝るなり、「しょうがないじゃないか」と反論するなり、対処のしようがある。
ところがおっちゃんはこう言ったのだ。

「赤ちゃん泣いてますよ」


いやわかってるし!
この車両の乗客全員がわかってるし、なによりだっこしているぼくがいちばんわかってるわ!

予想外の一言に返す言葉もなく呆然としていたら、伝わっていないと思われたのか、もう一度言われた。

「赤ちゃん泣いてますよ」


 結局、あぁ、はぁ、みたいなあいまいな返事しかできなかったのだが、なんと返すのが正解だったのか今もってわからない。

「ぼくもあなたも生きているんですよ」
とかわかりきった言葉を返すべきだったのだろうか。

このエントリーをはてなブックマークに追加

0 件のコメント:

コメントを投稿