「おこた」って言葉、いいよね。「こたつ」よりもあったかい。
おばあちゃんが言ってるイメージ。実際、ぼくの母親(70歳近い)は「おこた」と言う。とはいえ実家は床暖房が完備されてもうこたつはないので母が「おこた」と口にする機会は二度とないかもしれないが。
「おこた」は「こたつ」に丁寧語の「お」をつけて、後ろの「つ」を省略した言葉だ。
調べてみたら、女房言葉というそうだ。おかみさんではなく、宮中の女房が使っていた言葉。
他にも、「おさつ(お+さつまいも)」「おでん(お+田楽)」「おにぎり(お+にぎりめし)」などがこの形だ。ほう、けっこうある。
食べ物ばかりではない。「おでき(お+できもの)」「おなら(お+鳴らす)」などもそうだ。
汚いものを指す言葉だからこそあえて上品に言い換えたのだろう。今ではあたりまえの「おなら」もかつては隠語だったんだな。
名詞だけでなく、「鳴らす」のような動詞にまで「お」をつけて名詞化してしまうのはおもしろい。
「お」の力はなかなかすごくて、いろんな言葉をむりやり丁寧化してしまう。
おニュー、おセンチのように英語につくこともあるし、おばか、おデブのように悪口にくっついて侮蔑的な意味を若干やわらげ、その代わりに皮肉っぽい意味を持たせたりもする。
外来語を力技で丁寧化してしまう「お」、個人的にはけっこう好きなのだが残念ながらおニューもおセンチもほぼ死語だ。
もっと流行ってほしい。
「ごインスタでおバズのおエモなおインフルエンサー」とか言いたい。
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