『ゆるキャラ』の名付け親と『あまちゃん』の原作者の対談、と書かれている書評があったが、それはまちがってないけどまちがってるぞ!
いや、たしかにそれはみうらじゅんと宮藤官九郎のことなんだが、その説明では彼らのことを1パーセントも言い表していない。1パーセントどころかマイナス50パーセントの説明だ。
だって「ゆるキャラとあまちゃんの産みの親による対談」って云っちゃったら、老若男女が楽しめる話だと思われてしまう。まさかまさかチンポとクンニと親孝行の話ばかりだとは思わないだろう(ただの下ネタではなく親孝行の話も並ぶのがさすがみうらじゅんだ)。
それにしても内容がない。いや、褒め言葉ね。
酒の席の世迷い言にふさわしく、根拠もとりとめも正確さもない話ばかりがくりだされる。仮にも編集者がきちんとまとめて活字になったものを読んでいるわけだから、元の対談はほんとに支離滅裂だったにちがいない。
読んでいるときは楽しいが、読み終えてみると見事に何も残らない。まさに酒の肴のような対談。
気のおけない友人とだらだらくっちゃべるみたいなものなので、そういうのが好きでない(すなわち人生における無駄を愛せない)人からするとまったくおもしろくない本だろう。まあそういう人がこの本を手に取るとは思えないが。
とまあ、何の役にも立たないすばらしい本なのだが、惜しむらくは宮藤官九郎のトークがやや弱いところ。
いや、クドカンの話もそれだけ見ると十分おもしろいのだが、みうらじゅんと渡り合うほどの異常性は感じられないんだよなあ。
みうらじゅんといえば、いとうせいこうだったり伊集院光だったりリリー・フランキーだったりと組んでクレイジーな対談をくりひろげてきたわけだけど、そういったタッグに比べると、クドカンは見劣りする。
もう少し、演劇の話とかクドカン寄りの話題があってもよかったな。ほとんどエロバカ話で、みうらじゅんの十八番だからなあ。
いつものみうらじゅんと聞き役、という感じでした。
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