次女が好きなので、ここ数年、テレビの『アンパンマン』を観ている。ちなみに『アンパンマン』の放送時間は地域によるが、局によっては朝5時半とかにやっていたりする。一定時間子ども向け番組を流さなくちゃいけないからアリバイ的にやっているのだろう。
『アンパンマン』のストーリーの流れはだいたい決まっていて、
あるキャラクターが登場
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バイキンマンとドキンちゃんがそのキャラクターに変装(目的は料理を食べるためであることが多い)
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みんなころっと騙されるが、本物が登場し、「ク、クレープマンがふたり!?」と驚く
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変装が解け、バイキンマンとドキンちゃんが正体を現す
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アンパンマンがやっつけてめでたしめでたし
このパターンが圧倒的に多い。全体の半分以上はこの流れだ。
バイキンマンの変装は決して上手ではなく、鼻などはバイキンマンの鼻そのままで、視聴者にはどちらが偽物なのかすぐわかる。声もバイキンマン丸出しだ。にもかかわらず、変装が解けるまでは、登場人物たちには決してばれない。
ま、それはいい。子ども向けアニメのお約束だ。きっとあの世界の住人はみんな目と耳が悪くて、ぼんやりとしか認知できていないのだろう。
気になるのは、アンパンマンが毎度毎度、同じ手口で騙されることだ。毎週、「○○ちゃんがふたり!?」「バイキンマンだったのか!?」と驚いている。
「いやいや、ああいうアニメってすべての話が連続しているわけではなく、1話ごとにリセットされているんだよ。だから彼らにとってバイキンマンの変装は毎回はじめてなのさ。わかってないねえ」とおもうかもしれない。
そういう人に言いたい。バイキンマンはちゃんと過去のことをおぼえているのだ。アンパンマンが出てくるたびに「また出たなおじゃま虫め!」と言うのだ。
つまり、アンパンマンは毎度毎度記憶が消えているのに、バイキンマンは先週のことをしっかりおぼえているのだ。
これは、アンパンとバイキンの違いによるものだろう。
ごぞんじのように、アンパンマンは頭部をとりかえることができる。おそらく交換時に記憶もリセットされてしまうのだろう。
一方のバイキンマンは細胞分裂で増えるので、記憶を引き継ぐことができる。
この違いにより、「バイキンマンは『また出たなおじゃまむしめ!』と言うのにアンパンマンは毎度同じ手口でだまされる」非対称性が生まれるのだ。
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