本やCDは捨てづらい。
昔はまったく捨てられなかった。
最近は、少しは捨てられるようになった。
しかし捨てるときに心が痛むのは変わらない。
自分の記憶の一部がなくなるような気がする。
だからせめて、捨てるときは写真を撮って「この本をたしかに読んだ」という記録を残すようにしている。
(前回の供養)
今回は10年くらい前に買ったものが多いです。
吉田戦車や西原理恵子は好きだったからどんな作品でも買い集めていたけど、好きになれないものもある。
特に吉田戦車は、もう『伝染るんです』『スカートさん』のような不条理漫画はもう読めないのだろうと思いつつも、その事実が受け入れられずにずっと新作を買ってはがっかりされつづけた。
『学活! つやつや担任』は好きでしたが。
石原まこちんや中崎タツヤのような脱力系漫画(中崎タツヤは脱力とはちがうかもしれないが他にジャンル分けのしようがない)は、まず読み返すことがないので捨てることにした。
とはいえ、それぞれの代表作『THE3名様』『じみへん』は捨てられない。読み返さないだろうけど。
CDを捨てるのは、生まれてはじめてのことだ。
デジタルデータで持っているので全部捨てたっていいのだが、やっぱり捨てられない。
ディスクをセットすることなどないのだが。
合理的に生きているつもりだが、こういうところは割りきれない。
槇原敬之は好きで全部のCDを集めていたが、逮捕~出所後は説教くさくなったので聴くのをやめた。
あんなにストーリーテリングの才能を持ったシンガーソングライターは他にいないと思っていたのに、上質なエッセイのような私的な歌詞は書かなくなり、「生きるってすばらしい☆」みたいなつまんない歌詞ばかり書くようになってしまった。
よっぽどムショでつらい思いをしたんだろうなあ。
サザンオールスターズは好きすぎて、桑田佳祐のソロアルバムも買い(これはふつうのサザンファンの行動)、原由子のソロアルバムも買い(これもまだふつう)、ファンですらあまり名前を知らないメンバー・関口和之や松田弘のソロアルバムまで買い(もうだいぶおかしい)、さらにはインストゥルメンタルCDや、オルゴールバージョンのCDまで買い集めるという奇行に走っていた。
もはやファンというよりただのコレクターだ。
買うだけでほとんど聴いてないし。
ちなみに、アルバムをすべてそろえた後は、集める目標がなくなり、中古CD屋をまわって8cmCDを買いあさっていた。
もちろん、アルバムにも収録されているわけだから一度も聴かなかった。
その8cmCDはまだ捨てていない。
買ってから一度も再生されぬまま、今も押し入れに眠っている。
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